「オクターヴ」の版間の差分

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「オクターブ」とも表記される<ref>[http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%96&enc=UTF-8&stype=0&dtype=0&dname=0na Yahoo!辞書(大辞泉)]</ref><ref>[http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%8A%E3%81%8F%E3%81%9F%E3%83%BC%E3%81%B6&dtype=0&stype=1&dname=0ss Yahoo!辞書(大辞林)]</ref>。
 
== 概要 ==
== 音響学的な側面から ==
ある音の2<sup>n</sup>倍や2<sup>n</sup>分の1の周波数の音は、元の音と同種の音と認識されることが、[[ホモサピエンス|ヒト]]に共通する感覚として絶対性を持っている。高さは違うものの、本質的に同じ音として感覚に捉えられる理由として一つに、自然界に存在している多くの音に含まれる[[倍音]]の中では、この関係の周波数の音が基礎となって響く点が考えられており、また、オクターヴ違いの2音間の振動数比の単純さが考えられている。
 
== 音楽理論学的な側面から ==
西洋音楽で用いられる[[全音階]]は、古代ギリシャの[[テトラコルド]]に由来し、周波数比2:1の音の間を[[全音]]間隔5箇所と[[半音]]間隔2箇所で分割した[[七音音階]]である。
 
ただし伝統的に、西洋音楽では同度を0度からとして数える方式は普及しておらず、同度を1度音程と見なして数え始めるため、2音の差が1音分の場合には、1度ではなく2度と数える。そのため、七音音階の中で、高さの異なる同じ音に辿り着く音程が、7度ではなくて8度と数えられることとなる。「8番目=8度音程」を意味する[[ラテン語]]は“octavus”であり、そこから[[フランス語]]“octave”、そして[[英語]]“octave”、など他の各言語へと派生・定着していった。
 
オクターヴが単に8度音程という意味であるため、厳密には「重減8度」・「減8度」・「完全8度」・「増8度」・「重増8度」のどれもがオクターヴであるといえる。しかし一般にオクターヴと表現する際は、完全8度音程やその音程を隔てた音のことを意味する。時には8度音程としての1オクターヴだけでなく、2オクターヴや3オクターヴなど、数オクターヴのことを意味することもある。また、七音音階以外の場合でも周波数比2:1の音程に対してオクターヴという用語が広く適用されることもある。
 
特異な例として、[[インド]]においては、高さの違う同じ音(=オクターヴ)を意味する用語として、7を意味する“sapta”(サプタカ)という語が使われている。これは、1サプタカに7個の音(Sa, Ri, Ga, Ma, Pa, Dha, Ni)が含まれているためであるが、これは西洋音楽とは異なり、同度を0度と数えて始める方式によっているためである。
 
特異な例として、[[インド]]においては、高さの違う同じ音(=オクターヴ)を意味に相当するする用語として、7を意味する“sapta”(サプタカ)という語が使われている。これは、1サプタカに7個の音(Sa, Ri, Ga, Ma, Pa, Dha, Ni)が含まれているためであるが、これは西洋音楽とは異なり、同度を0度と数えて始める方式によっているためである。
オクターヴが単に8度音程という意味であるため、厳密には「重減8度」・「減8度」・「完全8度」・「増8度」・「重増8度」のどれもがオクターヴであるといえる。しかし一般にオクターヴと表現する際は、完全8度音程やその音程を隔てた音のことを意味する。また、時には8度音程としての1オクターヴだけでなく、2オクターヴや3オクターヴなど、数オクターヴのことを意味することもある。
 
オクターヴが、高さの異なる同じ音として聴こえるその性質から、多くの文化では、それが同じ音名として表現されてきた。例えば西洋音楽において、A(ラ)音の1オクターヴ上もA音とされる。インド古典音楽でも同様で、Sa(サ)音の1オクターヴ上はやはりSa音となる。別の場合として、オスマン古典音楽(トルコ)においては、1オクターヴ上の音に同じ名称を与えずに呼び示す。例えば、イェギャハと呼ばれる音の1オクターヴ上の音はネヴァーと呼ばれる。これは古代ギリシャからの音楽理論の伝統を引き継いでいる事と関連している。