「光の雨」の版間の差分

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==ストーリー==
死刑制度が廃止された2030年の日本。予備校生の阿南満也は、アパートの隣室の老人が毎夜奇声を発することに抗議したことがきっかけで、その玉井と名乗る老人と知り合う。玉井は元死刑囚で、死刑制度の廃止によって釈放されたのだった。玉井はみずからが死刑囚となった理由であり、また毎夜の奇声の原因でもある過去の事件について、阿南に語り始めた。
 
玉井が約60年前、左翼組織グループ「革命共闘」の幹部だったこと。「革命共闘」は反政府運動の武装闘争をおこなうために銃砲店を襲撃して銃を手に入れたこと。組織グループからの離反者を殺害したこと。やがて別の左翼組織グループ「赤色パルチザン」と連合して新組織「革命パルチザン」を結成し、山中のベースキャンプで軍事訓練に励んだこと……
 
阿南は何度も玉井の部屋に通い、途中からは恋人の高取美奈も誘って玉井の話を聞く。話はやがて、「赤色パルチザン」出身の倉重という男の主導でおこなわれた「総括」と称する同志へのリンチ殺人へと進んでいった。
 
==登場人物==
:阿南の恋人。玉井の話に興味を抱き、途中から阿南とともに聞き役になる。
;玉井 潔
:80歳の老人で元死刑囚。本作の世界では死刑制度が廃止されたため、出獄して暮らしている。かつては「革命共闘」および「革命パルチザン」の幹部で、同志の殺や山荘への立てこもり事件に関与した。モデルは[[坂口弘]]。
 
 
 
;倉重 鉄太郎
:「赤色パルチザン」のリーダーを経て「革命パルチザン」の幹部リーダーになる。「革命戦士になるためには批判と自己批判の相互作用によって今までの自分を「総括」することが必要」と主張する。弁舌が巧みで、組織グループのメンバーは徐々にかれの意向に逆らえなくなり、やがてはかれの恣意で「総括」という名目のリンチ殺人が実行された。モデルは[[森恒夫]]。
;上杉 和枝
:「革命共闘」および「革命パルチザン」の幹部の一人。組織グループから転向・離脱した元メンバーを殺害、さらに「革命パルチザン」の幹部となってからは「ブルジョア的」な習慣や思想の打破を唱えて倉重とともに他のメンバーに酷な「総括」を求めるようになる。玉井とは[[事実婚]]の関係にあったが、次第に倉重と親密になり、東京のアジトに3人が集まった際に倉重と夫婦になると玉井に告げる。モデルは[[永田洋子]]。
;黒木 利一
:「革命共闘」のメンバーであったが、事実上組織グループから抜けた上、公安の刑事と会って組織グループの情報を話す。このことが上杉らに伝わり、上杉の仕掛けた計略によって殺される。
;今村 道子
:同じく「革命共闘」メンバーであったが、組織グループのやり方についていけず、離脱を図る。上杉の意向でやはり謀される。
;夏目 洋太
:「革命共闘」の幹部。
;北川 準
:「革命共闘」のメンバー。山岳ベースで、他のメンバーへの「総括」で殴打した際に発した言葉が倉重に咎められ、みずからが「総括」の対象とされる。激しい殴打を受けた末、山岳ベースで最初に死亡する。
;戸張 真
:「革命共闘」のメンバー。倉重から「総括」を受け、そのあと参加していたメンバーの女性と抱擁したことを見咎められて、さらに激しい殴打が加えられ、死亡。
:「革命共闘」のメンバーで、戸張真の弟。倉重からは兄に対して「総括」をおこなうことを強要される。
;高田 ゆみ
:「赤色パルチザン」のメンバー。上杉から態度がブルジョア的だと非難され、「総括」の対象にされる。先に死亡したメンバーの埋葬を命じられるが、そのときの態度をさらに問題にされ、みずから「総括」すると言って自分の顔を殴打した。しかし、それでも「総括」できていないとしてロープで縛られたり激しく殴打された末に死亡。
;大沢 守男
:「革命共闘」のメンバーで「革命パルチザン」幹部。他のメンバーへの「総括」の際の態度を問題にされ「総括」の対象にされる。糾弾と激しい殴打の末、倉重から「死刑」を宣告されて、アイスピックで刺されて死亡。
;三橋 信行
:「革命共闘」のリーダー。検挙されて獄中にいる。彼を実力で奪取するため、「革命共闘」のメンバーは銃の入手を実行した。
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