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'''稲村 三伯'''<ref>弟大吉の借財の件で、江戸で退藩し、'''海上髄鴎'''と名を改め[[下総国]]稲毛村に身を隠した</ref>（いなむら さんぱく、[[宝暦]]8年（[[1758年]]） - [[文化 (元号)|文化]]8年[[1月16日 (旧暦)|1月16日]]（[[1811年]][[2月9日]]））は、[[江戸時代]]後期の[[蘭学者]]。幼名は'''龍介'''<ref name="Ziten_p64">『鳥取県大百科事典』64頁</ref>、名は'''箭'''<ref name="Ziten_p64"/>、字は'''白羽'''<ref name="Ziten_p64"/>。号は'''原昆堂'''、'''白髪書生'''<ref name="Ziten_p64"/>。

== 経歴生涯 ==

現在の[[鳥取市]][[川端 (鳥取市)|川端]]に生まれる<ref name="Ziten_p64"/>。町医・松井如水の三男<ref name="Ziten_p64"/>。[[明和]]7年（[[1770年]]）[[藩医]]・稲村三杏の[[養子]]に入る<ref name="Ziten_p64"/>。

明和8年（[[1771年]]）[[藩校]]・[[尚徳館]]に学ぶ<ref name="Yougaku_p49">『因伯洋学史話』49頁</ref>。[[安永]]5年（[[1776年]]）福岡の[[亀井南冥]]について医学と[[儒学]]を学び、更に長崎に出て蘭方を学んだ<ref name="Ziten_p64"/>。[[天明]]元年（[[1781年]]）、三杏の没後[[に藩医]]を継いだが、その後も[[京都]]で医学修業した<ref name="Ziten_p64"/>。

その後、[[大槻玄沢]]の『[[蘭学階梯]]』を読み発奮し、寛政4年（[[1792年]]）に[[江戸]]に出て、藩邸に勤めながら[[大槻玄沢]]の門に入り、蘭学を修業した<ref name="Ziten_p64"/>。寛政8年（[[1796年]]）、長崎通詞石井恒右衛門や同門の[[桂川甫周]]、[[宇田川玄真]]らの協力を得てわが国、日本で最初の蘭和辞書『[[ハルマ和解]]』を完成し、刊行した<ref name="Ziten_p64"/>。

[[享和]]2年（[[1802年]]）、弟大吉の借銭の問題で退藩し、[[下総国|下総]]海上郡などを遍歴し、名を'''海上髄鴎'''と改めて医業をした<ref name="Ziten_p64"/>。

[[文化 (元号)|文化]]3年（[[1806年]]）、京都に出て蘭学塾を開き、京都、大坂の蘭学興隆のもとをつくった<ref name="Ziten_p64"/>。

== 関連脚注 ==

[[Category:因幡国鳥取藩の人物]]