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{{出典の明記|date=2011年7月}}
{{連続体力学}}
{{物理学}}
'''弾性'''(だんせい、[[英語]]:elasticity)とは、[[力]]を加えると変形するが、除荷すれば元の寸法に戻る性質をいう。原則的には[[固体]]に見られる性質である。
 
英語で弾性をelasticityというが、この語源はギリシャ語の「ελαστικος(elastikos:推進力のある、弾みのある)」からきている(三省堂『英語語義語源辞典』三省堂、2004)。また、一般的には'''弾力'''や'''弾力性'''等の語が使われるが、これらはほぼ弾性と同義である(三省堂『広辞林 第六版三省堂、1983)。
 
弾性を持つ物質を'''弾性体'''と呼ぶ。
 
== 概要 ==
多くすべて固体材料は、変形が小さい一定の範囲('''弾性範囲内''')では、変形しても元に戻る、つまり弾性を示す。弾性の意味するところは本来[[応力]]と[[ひずみ]]の関係が一意的に定まっていることであり、必ずしも二者間の比例関係を指しているわけでは無いが、多く単に'''弾性'''とだけ書いてあっても、[[応力]]と[[ひずみ]]場合比例関係である'''[[線型性|線]]弾性'''を指して扱わいることが多い。こは[[弾性力学]]やその派生である[[構造力学]]、[[材料力学]]では主に線型弾性を持つ材料を研究対象にしてきたことに由来する。
 
材料が'''線弾性'''を示すとき、[[応力]] ''σ'' は[[ひずみ]] ''ε'' に比例し、その比例定数''E''を[[弾性率]]という。特に一方向に対する引っ張り(圧縮)変形に対する弾性率''E''を[[ヤング率]] という。
:''σ'' = ''Eε'' ([[フックの法則]])
 
[[File:Stress v strain pl.png|thumb|right|200px|[[鋼]]の応力-ひずみ線図。グラフ左の直線部分が弾性範囲内で、残りが塑性領域]]
弾性を示す範囲の変形を'''弾性変形'''という。ここから応力がある限界を超えると、弾性の性質から元にもどらない[[塑性]]変形を起こす領域へ変わる。その際の限界点を弾性限界点または'''[[降伏 (物理)|降伏]]点'''という。
 
材料の分野で[[エラストマー]](elastomer)とは[[ゴム]]のように、金属などに比べて大きな変形をする材料を指す。ゴムの弾性は [[エントロピー弾性]]に分類され、金属材料等の示す弾性(エネルギー弾性)とは弾性の生じる原理が異なる。材料科学ではこのような物質を[[エラストマー]](elastomer)と呼ぶ
 
== 超弾性 ==
[[超弾性]]とは、応力によって誘起された[[マルテンサイト変態]]が、一定の温度条件下で逆変態しもとの形状に戻ることによって生じる弾性を指す。通常の弾性変形に比べて大きな変形が生じ、その変形はフックの法則には従わない。この性質を応用したのが[[形状記憶合金]]である。また特に弾性回復温度が常温以下の形状記憶合金は、超弾性合金とも呼ばれる。
[[超弾性]]は、[[形状記憶合金]]が弾性を発揮して予め設定された所定の状態・形状に戻る性質において、鋼など一般の[[機械要素]]に使われる[[ばね]]に比べ、より弾性変形の許容幅が大きい性質を指す。
 
例えば機械要素として形状記憶合金製のばねを、その機械の作動温度より低い温度で弾性を回復する合金でばねを作って使用した場合、より大きな負荷をばねに掛けることが可能であるため、より工学面で有利な設計を行うことができる。特に弾性回復温度が低い形状記憶合金は、超弾性合金とも呼ばれる。
 
== 参考文献 ==
*金属材料技術研究所『図解 金属材料技術用語辞典-第2版-』日刊工業新聞、2000年
*朝倉書店『機械工学ハンドブック』2011
*社団法人高分子学会『高分子辞典 第3版』朝倉書店、2005年初版
*東京大学物性研究所『物性科学辞典』東京書籍、1996
*日本機械工学会中島尚正 他『機械工学便覧ハンドブック1989朝倉書店、2011新版第3刷
*日本機械工学会『機械工学便覧』日本機械工学会、1989年新版第3刷
 
== 関連項目 ==
*[[振動運動]] - [[ばね]]
*[[粘弾性]]
*[[弾性率]] - [[ずれ弾性率]](剛性率) - [[体積弾性率]]
*[[弾性エネルギー]]
*[[弾性力学]]
*[[粘弾性]]
 
 
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