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==歴史的背景==
この概念は[[アメリカ]]の[[経済学者]]の[[フランコ・モディリアーニ]](当時、[[カーネギーメロン大学]][[教授]])が基本となるアイディアを提唱し<ref>日本経済新聞社編(2001)『現代経済学の巨人たち:20世紀の人・時代・思想』[[日本経済新聞出版]]2001年、p.150-151.頁。</ref>、1958年、[[マートン・ミラー]]との共著論文によって発表された。<ref>Franco Modiliani and Merton Howard Miller(1958), "The Cost of Capital, Corporation Finance and the Theory of InvestmentInvestment(邦題:資本コスト、企業金融、および投資理論)," ''American Economic Review'',No.48, pp.261-297.</ref>
 
[[1963年]]に[[法人税]]を考慮したモデルに修正された。<ref>Franco Modiliani and Merton Howard Miller(1963), "Corprate Income Taxes and The Cost of CapitalCapital(邦題:法人税と資本コスト)," ''American Economic Review'',No.53, pp.433-443.</ref>これは、MMの修正命題(tax correction of MM proposition)と呼ばれ、税引後営業利益(NOPAT)を用い、法人税を考慮すると、[[レバレッジ]]を揚げると資本コスト([[加重平均資本コスト]](WACC))が下落するので、株式コストが低下する。このことは資金調達における負債の優位性を示している。
 
==命題==
*第1命題:無関連性命題(irrelevance result)・・・企業の資金調達の方法と企業価値とは無関係である。(企業価値)
*第2命題:企業の利益配分と企業価値とは無関係である。([[株価収益]])
*第3命題:資本コストは資本構成には依存しない。/資金調達は株価または負債の調達方法とは無関係である。/企業の投資の切捨率は、負債未利用企業の自己資本の資本コストであり、これは資本構成とは完全に無関係に決まる
 
===第3命題===
「もしクラス''k''の企業が株主に最もよく適合するように意思決定するならば、その企業は投資収益率ρがρkに等しいか、それより大きい場合に限って投資を行うであろう。すなわち、その企業の投資のための切捨率(cut off point)は常にρkであり、この切捨率が投資資金を調達するために用いられる証券の種類によってえいきょうされることは全くないのである。言い換えれば、資金調達の方法に関わりなく企業の[[限界資本コスト]]は[[平均資本コスト]]に等しく、また平均資本コストは、その企業の属するクラスにおける自己資本のみからなる企業の純営業利益の流列(unlevered stream)に対する資本化率に等しい。」<ref>Franco Modiliani and Merton Howard Miller(1958), "The Cost of Capital, Corporation Finance and the Theory of InvestmentInvestment(邦題:資本コスト、企業金融、および投資理論)," ''American Economic Review'',No.48, pp.288./諸井勝之助(1989)『経営財務講義[第2版]』東京大学出版会、184頁。</ref>
 
==経済的帰結==
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*[[小宮隆太郎]]・[[岩田規久男]](1973)『企業金融の理論』[[日本経済新聞社]]。
*[[諸井勝之助]](1976)『経営財務講義』[[東京大学出版会]]。
*[[佐藤猛]](2008)『証券市場論の基礎理論』[[税務経理協会]]。
 
==関連項目==