「アニメ監督」の版間の差分

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演出家はアニメーションに携わるクリエイターの現場監督とも言える存在であるが、必ずしも人並み以上に絵が描ける必要があるとはされていない。むしろ全く描けない演出家も少なくない。
アニメーションそのものの黎明期において、アニメーションの演出とは作画を担当する人物自身の意図を映像として作画するための表現の選択であり、その場合においてはアニメーター=演出家と言えるものであった。しかしアニメーション文化が映像、商業として発展していくにつれ分業化が進み、専業の演出家が必要とされていった。
初期においてはアニメーターとしてある程度の技量を持った人間がそのまま演出家になることが多く、その傾向は現在も続いている。一方、[[東映動画]]は実写映画の助監督のように演出助手(後述)を募集しており、[[高畑勲]]のように、絵は描けずともはじめから演出助手として採用されたうえで演出に昇格するというパターンもあった。(現在の[[東映アニメーション]]でもそのシステムは引き継がれている。また試験を受ければ社内のどのセクションからも演出に転身できるようになっている。)1961年に設立された[[虫プロ]]では初期においては、東映から移籍してきた[[杉井ギサブロー]]などアニメーター出身の演出がほとんどであったものの、[[富野由悠季]]や[[高橋良輔]]などの[[制作進行]]出身のアニメ演出家が登場し、以降業界では制作進行から演出家になるという流れも一般化した。また、設立当初から分業化を進めていた[[タツノコプロ]]においては、[[押井守]]のようにいきなり演出として採用されることもあった。
90年代までは基本的に東映の演出助手経験者、アニメーターあるいは制作進行が演出家になるパターンが多くそれ以外の職種からの転身はそれほど見られなかったが、00年代になってデジタル化が進むと、撮影やCG出身の演出家も多く輩出されるようになった。これは現代アニメの画作りにおいて撮影マンやCGクリエイターの技術に頼る事が多くなってきており、演出家にはデジタル映像技術への理解が必要不可欠となってきているためである。