「ヘブライ人への手紙」の版間の差分

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使徒パウロではないかという説を初めとして、『ヘブライ書』の著者を巡る議論は古代以来続いてきた。かつて『ヘブライ書』を[[パウロ書簡]]の一つとする分類法も行われていたが、やはり無理があるため現代では行われていない。たとえば本文中には他のパウロ書簡のような著者に関する情報が何もない。『ヘブライ書』に見られる思想そのものはパウロに近いが、文体や用法などは明らかに違っている。序文もパウロ書簡のそれとは異なっている。特にポイントとなるのは著者が他者からキリストの教えを受け取ったと語っている部分である。パウロは『ガラテヤの信徒への手紙』の中で自分がイエス自身から福音を受けたことを強調する。
 
パウロ以外で著者という説がされるのは、パウロの協力者シラス、『クレメンスの第一の手紙』の著者とされる教皇[[クレメンス1世 (ローマ教皇)|クレメンス1世]]、福音記者[[ルカ]]、[[アレクサンドリア]]の無名のキリスト者などである。テルトゥリアヌスは『使徒言行録』に現れる[[バルナバ]]が著者であるといっている。[[マルティン・ルター]]は同じく使徒書に現れるアポロが著者であるという説を示した。現代の聖書学者たちも著者については特定の結論に至っていない。にもかかわらず『ヘブライ書』は一貫して正典として受け入れられてきた。
 
=== 新約聖書中での位置づけ ===