「強制法」の版間の差分

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コーエンの元々のテクニックは今では[[ramified forcing]]と呼ばれるもので、強制法の説明によく使われる'''unramified forcing'''とは少々異なる。
 
==強制半順序==
 
'''強制半順序'''は3つ組順序対
 
:('''P''', ≤, 1)
 
である。ここで "≤" は'''P'''上の[[前順序]]関係(広義の半順序)で、以下のsplitting condition(アトムの非存在性)を満たすもの。
 
:任意の ''p'' ∈ '''P'''に対して、''s'' ≤ ''q'', ''r'' となる ''s'' ∈ '''P''' が存在しないような''q'', ''r'' ≤ ''p'' である ''q'', ''r'' ∈ '''P''' が存在する。
 
1 は最大元である。すなわち、
 
:全ての ''p'' ∈ '''P''' に対して ''p'' ≤ 1
 
'''P''' の要素は''条件''と呼ばれ、
 
:''p'' ≤ ''q''
 
 
:''p'' は ''q'' より''強い''
 
とよぶ。直観的には、これは"小さい"条件がより"多く"情報をもたらしているということである。区間[3.1415926,3.1415927]は[[Pi|π]]の値について、より広い区間[3.1,3.2]よりも多くの情報を与えている。
 
(ここで使われる条件は多様である。"≤"に[[反対称関係|反対称律]]を求める場合もあり、そのときはこの順序は狭義(広く使われている意味の)[[半順序]]である。最大要素の存在を仮定しないこともある。逆順序も利用された。これは[[サハロン・シェラハ|シェラハ]]とその共著者の研究でも知られている。)
 
強制半順序 '''P''' は '''P'''-''名前''と関連付けられる。'''P'''-名前は集合で、
 
:{(''u'',''p''):''u'' は '''P'''-名前 かつ ''p'' ∈ '''P'''}
 
この定義は[[超限再帰]]によるものである。
 
::*Name(0) = {};
::*Name(α + 1) = (Name(α) × '''P''')の冪集合の定義可能な部分集合;
::*Name(λ) = ∪{Name(α) : α < λ} (ただし λ は極限順序数)
 
と定義して '''P'''-名前全体のクラスを
 
:V<sup>('''P''')</sup> = ∪{Name(α) : α は順序数}
 
と定義する。'''P'''-名前は宇宙の拡大の様子を表している。''V'' の要素 ''x'' に対して
 
:''x''ˇ
 
は'''P'''-名前であり
 
:{(''y''ˇ,1) : ''y'' ∈ ''x''}.
 
で定義する。これもやはり超限再帰による定義である。
 
'''P''' の部分集合 ''G'' に対して、''解釈'' とか ''付値'' というのは、名前に対する関数で
 
:val(''u'', ''G'') = {val(''v'', ''G'') : ∃ ''p'' ∈ ''G'' , (''v'', ''p'') ∈ ''u''}.
 
と定義する(この定義も超限再帰による)。ここで、もし 1 が ''G'' の要素なら
 
:val(''x''ˇ, ''G'') = ''x''.
 
となる。
 
:<u>''G''</u> = {(''p''ˇ, ''p'') : ''p'' ∈ ''G''},
 
と定義すると、
 
:val(<u>''G''</u>,''G'') = ''G''.
 
となる。強制半順序の良い例が
 
:(Bor('''I''') , ⊆ , '''I''' ),
 
である。ここで '''I''' = [0,1] であり、Bor('''I''') は '''I'''のボレル部分集合で非零[[ルベーグ測度]]を持つもの全体である。この場合、半順序の条件は確からしさを表していると説明され、Bor('''I''')-名前は所属関係を確率的な意味で割り当てる。この例でも得られている確率的言語の考えは他の強制半順序でも使われる。
 
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