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吉田(1963)<ref>吉田忠生 (1963) 流れ藻の分布と移動に関する研究. 東北海区水産研究所 23: 141-186</ref>によると、日本各地の流れ藻の構成種は12属40種にものぼるが、流れ藻の主体はホンダワラ属およびその類縁の海藻であり、その他のものは種類数においても量的においても極めて少ない。
 
==生物群集における意味==
海面にかたまって漂う流れ藻には大洋性の[[魚類]]の[[稚魚]]や、[[ヨコエビ]]や[[ワレカラ]]などの[[端脚類]]といった小型の[[節足動物]]などが集まる。また、流れ藻は[[ハオコゼブリ]]や[[アジ]]などそれの重要水産資源の稚仔魚が随伴したり、[[サンマ]]などの[[ダツ]]目魚類が産卵基質住み着いしたりと水産上、重要な役割を果たし生活すものも。これはる意味で、隠れるものの少ない海洋水面近くにおける一種の[[シェルター]]の役割を果たす。さらに[[ハオコゼ]]などそれに住み着いて生活するものもある。このように流れ藻は沿岸ー沖合、および沖合ー沖合での生物の移動に関係する媒体となっている。加えて、流れ藻は[[ブリ]]や[[アジ]]などの重要水産資源の稚仔魚が随伴したり、[[サンマ]]などの[[ダツ]]目魚類が産卵基質にしたりと水産上、重要な役割を果たしている。
 
しかし、近年の日本沿岸では[[開発]]や[[埋め立て]]などが進み、流れ藻のもととなる[[ガラモ場]]が減少している。<ref>寺脇利信, 新井章吾, 敷田麻実 (2002) 藻場回復 20世紀初頭の藻学の現状 日本藻類学会50周年記念出版: 89-91</ref>また、世界的な海水温上昇の影響で[[藻場]]の構成種が変化し<ref>国立環境研究所 (2003) 地球温暖化の市民生活への影響調査 成果報告書(中間とりまとめ): 151pp</ref>、原因不明の[[磯焼け]]現象が増加していることが報告されている。<ref>寺脇利信, 新井章吾, 敷田麻実 (2002) 藻場回復 20世紀初頭の藻学の現状 日本藻類学会50周年記念出版: 89-91</ref>