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もともと1970年代に、屋上駐車場や、鉄道駅との連絡橋を備えて建設された、ウェストフィールドよりも古い[[ショッピングセンター]]である[[ウェスト12シェパーズ・ブッシュ]] ([[:en:West 12 Shepherds Bush|West 12 Shepherds Bush]]) は、1990年代に大規模な改修を行った。連絡橋は撤去され、現在では数軒のチェーン店と、12スクリーンを備えた映画館、ジム、パブ、レストラン、診療所、スーパーマーケットが入っている<ref>{{cite web|url=http://west12shopping.co.uk/|title= West 12|accessdate=2012-03-29}}</ref>。
 
アクスブリッジ・ロード沿いの小規模な商店は、かなりの距離まで続いており、グリーンから南西に向かう[[ゴールドホーク・ロード]]沿いにも商店が並んでいる。こうした商店の多くは、地元のエスニック・マイノリティのコミュニティを相手に商売をしている(後述の「[[#住民構成についての特徴|住民の特徴]]」の節を参照)。
 
[[ハマースミス&シティー線]]の高架部分の東側に平行し、一部はその高架下に広がる大規模な常設市場である[[シェパーズ・ブッシュ・マーケット]]は、あらゆる種類の食材、調理済み食品、家庭用品、衣類、古物などを扱っている<ref>{{cite web|url=http://www.shepherdsbushmarket.co.uk/|title=Welcome to the NEW Shepherds Bush Market, London|publisher=Shepherds Bush Market|accessdate=2012-04-22}}</ref>
 
[[2008年]]10月、[[ウェストフィールド・グループ]]は(ドイツの投資ファンド、ハウスインヴェスト・オイローパとともに<ref>{{cite web|url=http://hausinvest.de/en/press/new-updates/single-view/hausinvest-europa-londoner-shopping-center-westfield-eroeffnet|title=hausInvest europa: “Westfield” Shopping Centre Opened in London|publisher=hausInvest|accessdate=2012-04-22}}</ref>)、ウェスト・クロス・ルート(West Cross Route と称される[[:en:A3220 road|A3220]]、旧[[:en:M41 motorway|M41]])、[[ウェストウェイ (ロンドン)|ウェストウェイ]]([[:en:Westway (London)|Westway]] と称される[[:en:A40 road|A40]]、旧A40(M))、[[ウッド・レーン]]([[:en:Wood Lane|Wood Lane]]:道の反対側はBBC)、[[:en:A219|A219]](旧A40の一部)によって囲まれた一帯に、ショッピングセンターを開設した<ref>{{cite web|url=http://uk.westfield.com/london/getting-there/car/|title=Getting There|publisher=Westfield|accessdate=2012-04-22}}</ref>。[[ウェストフィールド・ロンドン]] ([[:en:Westfield London|Westfield London]]) と命名されたこの施設の敷地は、[[1908年]]に[[仏英博覧会]] ([[:en:Franco-British Exhibition (1908)|Franco-British Exhibition]]) や[[ロンドンオリンピック (1908年)|ロンドンオリンピック]]の会場となった、[[ロンドン地下鉄]]の所有地であった。この施設がある場所は、厳密には[[ホワイト・シティ]]であるが、地元の住民たちにもシャパーズ・ブッシュの一部であると見なされている。
 
== オフィス・ビル ==
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<!--[[File:LimeGroveStudios.jpg|thumb|right|200px|ライム・グローブ・スタジオ。1994年に撤去され、跡地には集合住宅が建てられた。]]-->
=== 地名の起源 ===
「羊飼いの茂み」を意味するシェパーズ・ブッシュという地名は、[[シティ・オブ・ロンドン]]の[[スミスフィールド]]にあった[[家畜]]市場へ向かう[[羊飼い]]たちが休憩する[[コモン・ランド]] ([[:en:Common land|Common land]])、すなわち[[慣習法]]上そのように利用することが羊飼いたちに認められていた場所があったことに由来すると考えられている{{要出典|date=2011-7}}。別の説では、[[1635年]]の時点でシェパーズ・ブッシュ・グリーン (Sheppards(Sheppards Bush Green) Green:綴り字が異なることに注意)として記録されていることから、この地域に住んでいた特定の個人に由来する命名ではないかとも言われている{{要出典|date=2011-7}}。
 
この地域に人が住んでいた形跡は、[[鉄器時代]]にまで遡ることができる。シェパーズ・ブッシュが文献記録に現れるのは、[[704年]]に[[ロンドン司教]] ([[:en:Bishop of London|Bishop of London]]) であった[[ウェイルデリ]] ([[:en:Waldhere (bishop)|Waldhere]]) が、フラナム・エステート (Fulanham estate) <ref>Fulanham は現在の綴りでは Fulham、すなわち[[フラム]]を指す。[[フラム宮殿]] ([[:en:Fulham Palace|Fulham Palace]]) は、11世紀から1975年まで、ロンドン司教(宗教改革後は、ロンドン主教)の居宅であった。</ref>の一部として購入した場所の地名として記されたのが最初である<ref>{{cite web|url=http://www.coursework.info/GCSE/History/History_Projects/Introduction_to_the_History_of_Shepherds_L56735.html|title=Introduction to the History of Shepherds Bush|publisher=Coursework.Info|accessdate=2012-04-03}}</ref>。
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[[1963年]][[4月13日]]、[[ビートルズ]]はBBCでの初めての放送を、シェパーズ・ブッシュの[[ライム・グローブ・スタジオ]] ([[:en:Lime Grove Studios|Lime Grove Studios]]) で収録した。翌[[1964年]]にも、このスタジオでの録音が行われた。スタジオは[[1994年]]に取り壊され、跡地には集合住宅が建設された<ref>{{cite book|url=http://books.google.com/books?id=2N53-a3FafQC&pg=PA141&dq=shepherds+bush&hl=en&ei=UF4TTr7OIZGXhQeX7aXmDQ&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=3&ved=0CDUQ6AEwAg#v=onepage&q=shepherds%20bush&f=false|last=Schreuders|first=Piet|page=141|title=Beatles London|isbn=978-1906032265|publisher=Portico|date=2008-03-25|accessdate=2011-04-03}}</ref>。
 
近年、シェパーズ・ブッシュのバス・ターミナルとして利用されている建物は、[[重要文化財建築物]] ([[:en:Listed building|listed building]]) のグレード2に指定されている[[1898年]]建設の[[ディムコ・ビルディング]] ([[:en:Dimco Buildings|Dimco Buildings]]) を再開発したもので、建設当初は[[ロンドン地下鉄]]の発電施設を収めていた<ref name="dimco1">{{ cite web
|url=http://www.maps.lbhf.gov.uk/udp/text/udp_part2_chapter10.asp?section=4&subsection=3&subsection2=1&policy=0&c=k&userExtent=520135:175000:527750:183500
|title=Site Proposals - Site 36 White City Centre Site
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== 文化 ==
=== 娯楽 ===
1960年代に人気を博した[[イギリス]]の[[シチュエーション・コメディ]]『''[[:en:Steptoe and Son|Steptoe & Son]]''』の舞台は、シェパーズ・ブッシュにあるとされた架空の街路オイル・ドラム・レーン(Oil Drum Lane:「ドラム缶通り」の意)24番地<!--「26番地」とする記述もネット上には見える。http://www.funtrivia.com/en/Television/Steptoe-and-Son-11205.html-->と設定されていた。
 
BBCは、かつては数多くの事務所をシェパーズ・ブッシュに構えていたが、その大部分は廃止ないし移転してなくなった。かつての[[ゴーモン・ブリティッシュ]]やゲインズボロ映画 (Gainsborough Pictures) の映画スタジオ跡にあった{{仮リンク|ライム・グローヴ・スタジオ|en|Lime Grove Studios}} もなくなった施設のひとつである。サルグレーヴ・ハウス (Sulgrave House)、スレショルド・ハウス (Threshold House)、ユニオン・ハウス (Union House)、ケンジントン・ハウス (Kensington House) は、ホテルとなっている。シェパーズ・ブッシュにおけるBBCの施設は、現在はウッド・レーンの2つの大きな建物、すなわち[[BBCテレビジョンセンター]]と{{仮リンク|BBCホワイトシティ|en|BBC White City}}に集約されている。BBCホワイトシティに隣接する[[ホワイトシティ・スタジアム]]の跡地には、1980年代半ばにメディア・ヴィレッジ (The Media Village) が建設された。この施設はBBCのほか、{{仮リンク|レッド・ビー・メディア|en|Red Bee Media}}(かつてはBBCの外郭団体であったが現在は民間企業)などによっても利用されている。[[BBCテレビジョンセンター]]はテレビ全国放送の拠点であり、BBCのテレビやラジオのニュース、ウェブサイト、テレビ・ドラマ、軽い娯楽番組などが、ここから放送・発信されている。
 
{{仮リンク|ブッシュ劇場|en|Bush Theatre}}は、世界的知られた新作戯曲を上演する劇場である<ref>{{cite web|url=http://www.bushtheatre.co.uk/about/|title=about the bush|publisher=The Bush Theatre|accessdate=2012-04-22}}</ref>。シェパーズ・ブッシュ・グリーンに面した位置にあり、様々な背景をもつ新たな劇作家を見出し、育て、その作品を最高水準で上演すること劇場として、国際的にも高い評価を得ている。ブッシュ劇場は、最も優れた新しい劇作家たちを育てる揺籃と広く評されており、ここから出発した者の多くは、娯楽産業の業界で地位を確立した後も、しばしばこのウェスト・ロンドンの拠点へと戻ってくる。
 
[[1903年]]に建てられた{{仮リンク|シェパーズ・ブッシュ・エンパイア|en|Shepherds Bush Empire}}は、[[1953年]]にBBCが取得し、シェパーズ・ブッシュ・テレビ劇場 (Shepherds Bush Television Theatre) と改名した。その後[[1991年]]まで、永くテレビ・スタジオとして使用された後、名称を元に戻して現在に至っている。BBCテレビは現在もウッド・レーンの[[BBCテレビジョンセンター]]にあるが、もうひとつの主要な施設であるBBCホワイトシティは、1908年のロンドン・オリンピックの会場であった同名のスタジアム([[ホワイトシティ・スタジアム]])の跡地にある。
 
{{仮リンク|シェパーズ・ブッシュ・エンパイア|en|Shepherds Bush Empire}}は、音楽演奏会場であり<ref>{{cite web|url=http://www.o2shepherdsbushempire.co.uk/Info/About|title=About|publisher=O2 Shepherd's Bush Empire|accessdate=2012-04-22}}</ref>、 [[デヴィッド・ボウイ]]、[[ローリング・ストーンズ|ザ・ローリング・ストーンズ]]、{{仮リンク|ニール・フィン|en|Neil Finn}}、[[ボブ・ディラン]]など、人気の高いミュージシャンたちがここで演奏してきた。[[ミューズ (バンド)|ミューズ]] は、[[2006年]]6月にここで、無料コンサートを開催した。
 
アックスブリッジ・ロード310番地にあるブッシュ・ホール (Bush Hall) は、[[1905年]]に[[ダンスホール]]として建てられた、やや小規模な施設である<ref>{{cite web|url=http://www.londontown.com/LondonInformation/Entertainment/Bush_Hall/0c5c/|title=Bush Hall|publisher=LondonTown.com|accessdate=2012-04-22}}</ref>。ここに出演する大部分は小規模なアコースティック系の「これから世に出て行く」ミュージシャンたちであるが、[[R.E.M.]]、[[シザー・シスターズ]]、{{仮リンク|ニック・ケイヴ・アンド・ザ・バッド・シーズ|en|Nick Cave and the Bad Seeds}}([[ニック・ケイヴ]])といった有名どころも、ファン・クラブのイベントなどをここで開催している。
 
さらに小規模なギングリック (Ginglik) は、[[ヴィクトリア朝時代]]から[[エドワード7世 (イギリス王)|エドワード朝]]かけて[[公衆便所]]が設けられていたシェパーズ・ブッシュ・グリーンの地下空間にある<ref>この地下空間については、公式サイト内の記述でも、ヴィクトリア朝のものとする記述({{cite web|url=http://www.ginglik.co.uk/?page_id=150|title=Contact|publisher=Ginglik|accessdate=2012-04-22}})と、エドワード朝とする記述({{cite web|url=http://www.ginglik.co.uk/?page_id=2|title=About|publisher=Ginglik|accessdate=2012-04-22}})が混在している。</ref>。ここでは、バンドやDJ、あるいは、{{仮リンク|ジミー・カー|en|Jimmy Carr}}、{{仮リンク|アル・マレー|en|Al Murray}}、{{仮リンク|ジェリー・サドウィッツ|en|Jerry Sadowitz}}などのコメディアンなどをフィーチャーしたイベントが開かれている。[[2008年]]には、近い将来に閉鎖されると発表されたが、その後も営業は続けられている。
 
シェパーズ・ブッシュ・グリーンの西端にある、{{仮リンク|ウォークアバウト|en|Walkabout (pub chain)}}傘下の[[パブ]]、シェパーズ・ブッシュ・ウィークアバウト (Shepherds Bush Walkabout) は、人気の高い音楽やライブ・スポーツの店である<ref>{{cite web|url=http://www.walkabout.eu.com/venues/walkabout-shepherds-bush/info/|title=Walkabout Shepherds Bush|publisher=Walkabout|accessdate=2012-04-22}}</ref>。この店は、イギリス各地にチェーン店をもつ「地球の裏側 (Antipodean)」(イギリスから見た[[オーストラリア]]や[[ニュージーランド]]を指す)をテーマとした酒場であり、オーストラリアやニュージーランドの音楽やスポーツを扱い、両国の出身者などに、これらの国々から取り寄せた食材や飲み物を提供している<ref>{{cite web|url=http://www.walkabout.eu.com/support/about-us.cfm|title=About Us|publisher=Walkabout|accessdate=2012-04-22}}</ref>。オーストラリアやニュージーランドの祝日や、大きなスポーツイベント([[オーストラリアン・フットボール・リーグ]]の[[AFLグランドファイナル|優勝決定戦]])のある日、[[ANZACの日]]などの記念日には、この店は特に混み合う。音楽の生演奏は、これから売り出そうというバンドや、オーストラリアやニュージーランドの定番曲や現在のポピュラー音楽をカバーするバンドなど、いろいろ取り混ぜられている。
 
シェパーズ・ブッシュから世に出た[[ロック (音楽)|ロック]]・グループもある。[[ザ・フー]]の作品は、1960年代から1970年代にかけてのシェパーズ・ブッシュの若者文化が染み込んでいる。伝説的な[[パンク]]・バンドである[[セックス・ピストルズ]]は、ギターの[[スティーヴ・ジョーンズ]]がシェパーズ・ブッシュ生まれ、ドラムの[[ポール・クック]]がシェパーズ・ブッシュ育ちであった。ふたりはシェパーズ・ブッシュのクリストファー・レン中学校 (Christopher Wren Secondary School) で知り合った<ref>{{cite web|url=http://www.sexpistolsofficial.com/biography/paul-cook|title=Paul Cook Biography|publisher=Sex Pistols Residuals|accessdate=2012-04-22}}</ref>。[[ザ・クラッシュ]]の初期作品にも、シェパーズ・ブッシュや{{仮リンク|ウェストウェイ|en|Westway (London)}}の文化が染み込んでいる。 [[ザ・リバティーンズ]]や [[ベイビーシャンブルズ]]でフロントマンを務めた[[ピート・ドハーティ]]は、16歳のときにシェパーズ・ブッシュに引っ越してきた。1980年代のバンド[[ビッグ・カントリー]]などで活躍したベーシストの[[トニー・バトラー]]は、シェパーズ・ブッシュ生まれである。[[ブッシュ (バンド)|ブッシュ]]や[[シンポジウム (バンド)|シンポジウム]] ([[:en:Symposium (band)|Symposium]]) も、シェパーズ・ブッシュ出身のバンドであり、前者の名は地名に由来するものである。
 
クラシック系の音楽者である[[エヴェリン・グレニー]]や{{仮リンク|ロバート・ステッドマン|en|Robert Steadman}}は、いずれもシェパーズ・ブッシュに住んでいたことがある。
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[[ニール・ゲイマン]]の小説『[[ネバーウェア]] (''[[:en:Neverwhere|Neverwhere]]'')』では、主人公のリチャードが「シェパーズ・ブッシュにシェパード(羊飼い)はいない。僕はあそこにいた。あるのは家と店と道とBBCだけだ。それだけだ」と言うと、ハンターは「いるよ...会わないようにせいぜい祈っておくんだな」と応じる。
 
{{仮リンク|ローラ・マーリング|en|Laura Marling}}の歌「Night Terror」では、シェパーズ・ブッシュ・グリーンが繰り返し言及される<ref>{{cite web|url=http://www.sweetslyrics.com/554899.Laura%20Marling%20-%20Night%20Terror%20.html|title=Laura Marling - Night Terror Lyrics|publisher=www.sweetslyrics.com|accessdate=2012-04-22}}</ref>。シェパーズ・ブッシュ・グリーンへの言及は、[[トレイシー・ウルマン]]がヒットさせた{{仮リンク|カースティ・マッコール|en|Kirsty MacColl}}作の「[[:en:You Broke My Heart in 17 Places|You Broke My Heart in 17 Places]]」にも現れる<ref>{{cite web|url=http://www.kirstymaccoll.com/music/lyrics/you_broke_my_heart.htm|title=You broke my heart in 17 places|publisher=The Kirsty MacColl web site|accessdate=2012-04-22}}</ref>
 
=== スポーツ ===