「精密爆撃」の版間の差分

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== 概要 ==
戦闘・戦争において必要箇所を破壊する場合に、多数の爆弾を用いて付随被害与えるよりも、少数の爆弾で持って必要十分なだけ破壊したほうが効率的である。また、破壊箇所を局限することにより、市民への付随被害を抑える効果もある。このため、照準器の性能向上や誘導兵器の発達により、航空攻撃において、従来の絨毯爆撃から精密爆撃へと発展してきた。現在は人道上の理由などにより先進国では精密爆撃のほうが主流になっている。
 
精密爆撃を用いる目標は多様であるが、[[トーチカ]]などの重防御された小型目標や、ピンポイントの命中が求められる[[橋梁]]、破壊により多大な混乱を強いることができる通信拠点などが挙げられる。
 
[[第一次世界大戦]]時の航空爆弾は[[無誘導爆弾]]であり、照準器の性能も低かったことから、小型目標を爆撃することはしいものであった。[[第二次世界大戦]]時になると照準器の性能が向上したほか、[[急降下爆撃]]法が開発され、小型目標への攻撃が可能となった。[[ドイツ空軍]]の[[Ju 87 (航空機)|Ju 87]]はトーチカや[[戦車]]を爆撃し、[[イギリス空軍]]の[[デ・ハビランド モスキート]]は収容所の部分的爆撃などの特殊な精密爆撃を行なっている。[[アメリカ陸軍航空軍]]は、軍需工場に対する[[戦略爆撃]]も工場のみを目標とする精密爆撃で攻撃しよを行おうとしたが、十分な成果が得られず、絨毯爆撃に切り替えられている
 
第二次世界大戦後は誘導兵器の発達により、精密爆撃を用いる機会も増えている。[[ベトナム戦争]]では、アメリカ軍がレーザー誘導爆弾などを用いて、橋梁を始めとする戦略施設に対する精密爆撃を行なっている。[[湾岸戦争]]においては、[[アメリカ空軍]]がバクダッド市内の重要拠点に対して、精密爆撃を行っているした。目標を確実に無力化するとともに、市民への被害を抑えたことが、爆弾命中の映像などを通して広報された。湾岸戦争では、実際は通常爆撃も多かったが、[[コソボ紛争]]ではほとんどが誘導兵器による精密爆撃となった。
 
なお、精密爆撃は「目標」への命中精度で語られるものであり、「目標」の選定ミスや目標を逸れることによる[[誤爆]]を生じることは有り得る。