「アセトアルデヒド脱水素酵素」の版間の差分

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== ALDHのタイプ別飲酒の注意点 ==
* GGタイプ(酒に強いタイプ)
*: このタイプ一般に酒に強いと言われる人々である。しかしその実体は、アルコールが体内で代謝された後に生じる、毒性の強いアセトアルデヒドを速やかに分解できるためである。つまり[[アセトアルデヒド]]による影響をほとんど受けないのである([[アセトアルデヒド]]は頭痛、悪心・嘔吐、[[二日酔い]]などを引き起こす)。しかし、摂取したアルコールの濃度に応じて、実際には脳が麻痺しており、アルコールによる本来の[[酔い]]に変わりがあるわけではない(酔いとは、アルコール、すなわち[[エチルアルコール]]による脳の麻痺であり、アルコールが分解された後に生成されたアセトアルデヒドの分解能力とは関係が無いため)。つまり[[二日酔い|悪酔い]]をしにくいタイプである。GGタイプがアルコール依存症になるリスクはAGタイプの6倍と言われており、事実、日本のアルコール依存症患者の9割弱はこのGGタイプである。さらに、GGタイプしか存在しない白人・黒人の社会である欧米では、アルコール依存症が深刻な社会問題となっている。
* AGタイプ(酒に弱いタイプ)
*: このタイプは、アルコールが体内で代謝された後に生じる、毒性の高いアセトアルデヒドを分解する能力が弱い。そのためアセトアルデヒドの影響を受けやすく、その影響を毒性に長時間受け続けることになりさらされ、飲酒に伴う各種不快な疾患や、至っては関連する病気を罹患(アセトアルデヒドの毒性由来)をし易いと考えられている。事実、各種疫学調査により、同じ量の飲酒を継続した場合で、咽頭がん・大腸がん等の飲酒習慣と関連すると考えられている疾患の発症率が高いことが知られている(AGタイプがアルコール性のガンを罹患するリスクは、GGタイプの1.6倍といわれている)。AGタイプがアルコール依存症になる可能性は低いが、同じ量の飲酒を継続した場合、やはりGGタイプよりも短期間でアルコール依存症になることが知られている。
* AAタイプ(酒が飲めないタイプ)
*: いわゆる[[下戸]]タイプで、アセトアルデヒドを分解する能力がほとんどなく、アルコール類を一切受け付けない。つまりアセトアルデヒドが長時間、大量に体内に蓄積することになる。したがって飲酒は厳禁であり、これを訓練などによって克服することは絶対に不可能である。また消毒用アルコールや、栄養ドリンクなどに含まれる少量のアルコール分([[エチルアルコール]])を含むものに対しても、赤くなるなど敏感に反応する人もこのタイプである。