「染色体」の版間の差分

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最も基本的な構造は[[ヌクレオソーム]]である。8つのヒストンタンパク質からなるヌクレオソームヒストン(コアヒストン)は、約150塩基対のDNAを巻き取ることが出来る。ヌクレオソームの間にはヒストンH1(リンカーヒストン)が結合する。最も低次のヌクレオソームと、分裂期に見られる最も高次の染色体形態の間にある[[クロマチン]]構造についてはあまり研究が進んでおらず、いくつかのモデルが提唱されているものの詳しいことは不明である。ただし、ヌクレオソーム構造はさらに凝集し、直径30nmの繊維となり、通常は顕微鏡下では見えないが、[[細胞分裂]]中期に現れる糸状の物体として確認できる。基本的にはこのような繊維が螺旋状に巻き、折り畳まれることによって高次化していく。この過程には、[[コンデンシン]]複合体や[[トポイソメラーゼII]]が関与していることが知られているが、その詳細な分子メカニズムはよく分かっていない。
 
クロマチンの状態は、大きく分類して'''ユークロマチン'''(euchromatin)と'''ヘテロクロマチン'''(heterochromatin)の二種類がある。ユークロマチンはクロマチン構造がゆるまっており、[[転写 (生物学)|転写]]されている[[遺伝子]]はこの部分に多く存在する。ヘテロクロマチンは密に凝集しており、この領域ではあまり転写が起きていない。この部分は、染色体の構造上の変化に際して何らかの役割を負っていると考えられている。ヘテロクロマチンは更に次の二つに分類することができる。遺伝子の発現はほとんど見られない構成的ヘテロクロマチン(constitutive heterochromatin)と、条件によっては遺伝子の発現が見られる条件的ヘテロクロマチン(facultative heterochromatin)がある。前者は主に[[セントロメア]]付近にあり、この領域の DNA は繰り返し配列に富む。
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真核細胞の核の中では、染色体の DNA は凝縮を解かれているが、やや構造を保った状態になっている。染色体は核分裂の間は凝縮しており、分裂中期染色体と呼ばれる。自然の状態においてDNAの存在を光学顕微鏡で目で見て確認できるのは、この分裂中期だけである。染色体がほぐれた状態になると、そのDNAは転写や調節、[[DNA複製]]のために使えるようになる。