「地下水」の版間の差分

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'''地下水'''(ちかすい)とは、広義には地表面より下にある[[水]]の総称であり、狭義では、特に[[地下水面]]より深い場所では[[帯水層]]と呼ばれる[[地層]]に水が満たされて飽和しており、このような水だけが「地層水」や「間隙水」「[[地下]]水」と呼ばれ、地下水面より浅い場所で土壌間に水が満たされずに不飽和である場合はその水は「[[土壌]]水」と呼ばれる。このような狭義では、両者を含めた地表面より下にある水全体は「地中水」と呼ばれる。広義の地下水に対して、[[河川]]や[[湖沼]]、ため池といった陸上にある水は「表流水」と呼ばれる<ref name = "日本地下水学会">[http://homepage3.nifty.com/jagh/yougo/yougo.html 日本地下水学会]</ref><ref>[http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=地下水 「地下水」] - Yahoo!辞書
</ref><ref name = "見えない巨大水脈 地下水の科学">日本地下水学会/井田徹治著『見えない巨大水脈 地下水の科学』、講談社、2009年5月20日第1刷発行、ISBN 9784062576390</ref>。
 
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地中を観察すると、[[砂]]や[[土]]の粒子の間隙に水が浸透している。このとき、水が完全に満たされていない状態(不飽和状態)であれば「土壌水」と呼ばれ、粒子の間隙に水が完全に満たされた状態(飽和状態)であれば「地層水」や「間隙水」、「地下水」と呼ばれる。土壌水と地下水との境界は'''[[地下水面]]'''と呼ばれる。地下水面には、井戸または掘削孔中に現れる水面としての定義もある <ref>地下水学用語辞典, 1986. 古今書院</ref>。
 
地下水面を境として、上部(土壌水の存在する部分)を不飽和帯、下部(地下水の存在するところ)を飽和帯または[[帯水層]]と呼ぶこともある。さらに不飽和帯を二分し、その下部を毛管水帯、その上部を懸垂水帯と呼ぶこともある。{{要出典範囲|地下水面は、地表の起伏に大きな影響を受けている。地表が盛り上がる[[山地]]や[[台地]]では、地下水面も盛り上がっている。地表がへこんでいる場合は、地下水面も同様である|date=2011年5月}}。帯水層の厚みや状態、水自身の流動によって地下水面の高さには凹凸が生じる<ref name = "見えない巨大水脈 地下水の科学"/>。
 
地下水面より上の不飽和帯内と地下水面にある水は、不飽和帯内の土壌の間隙を経て地上と通じているために大気圧とほぼ同じ圧力状態にあり、「不圧地下水」や「自由地下水」と呼ばれる。地下水面より下にある飽和帯内の水は、周囲の土壌や水自身の重みによって圧力を受けるために大気圧より高い圧力状態となっており、「[[被圧地下水]]」と呼ばれる<ref name = "見えない巨大水脈 地下水の科学"/>。
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地下水面より下の地下水は、面的あるいは空間的に存在している。「地下水脈」という概念があるが、地下水を線的なものとして捉えるのは正確ではない。ただし、[[カルスト]]などの岩盤中の地下水は線的な賦存状況を示す場合もある。
 
{{要出典範囲|河口周辺の平野部における地下水の挙動を考えるとき、地下水の上流側が河川や海洋であり、下流側が井戸と考えた方が理解しやすい場合が多い|date=2011年6月}}<!--3冊の書籍を読みましたがいずれも地下水の挙動を考えると、地上の事情とはほぼ無関係に流れているとされています。河川の地下では地上と同様に地下でも同じ方向に流れている傾向が見られるとも書かれていました。まったく異なる記述です。-->。平野部には数十メートルを超える井戸が多数存在し、揚水を行っている。また、地下水は地層構造により第一帯水層・第二帯水層等の幾層にも分かれて重なっている。地下水流向は同一平面位置であっても各帯水層によって異なる場合が多く、全く逆方向の流向も珍しくない。
 
==== 貯留量 ====