「ブランコ」の版間の差分

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[[ファイル:Swing seat at Ouji-jinja.jpg|right|300px|thumb|ブランコ]]
[[File:夕暮れのブランコに乗る二人の少女8190107.jpg|thumb|200px|right|向かい合いブランコを漕ぐ少女たち]]
'''ブランコ'''は、座板を支柱や[[樹木]]から[[鎖]]や[[紐]]などで水平に吊るした構造の[[遊具]]。
'''ブランコ'''は、[[椅子]]あるいは踏み台が2本の[[鎖]]で吊り下げられている構造の[[遊具]]。鎖の替わりに[[紐]]を用いた物もある。最近では、[[安全]]に配慮して、柔らかい[[ゴム]]などの素材を乗る部分に使ったものも増えている。[[公園]]や[[小学校]]の[[運動場]]などに備え付けられていることが多い。通常は1人で乗る物であるが、2人で乗る場合もある。
 
== 概説 ==
ブランコはポピュラーな遊具の一つで、[[公園]]や[[小学校]]の[[運動場]]などに備え付けられていることが多い。
 
'''鞦韆'''('''秋千'''、しゅうせん)ともいう。「鞦」「韆」はそれぞれ1文字でもブランコの意味を持つ。「鞦韆」は今でこそブランコの意味を持つが、古くは中国で宮女が使った遊び道具をさす。いまのブランコとは少し違い飾りがたくさんついており、遊戯中、裾から足が見えて、皇帝が見ていて運よく夜伽に呼ばれる可能性から艶かしいイメージを持たれていた。北宋の文人、[[蘇軾]]の漢詩「春夜」にも鞦韆が出てくることから、性行為の過程を詠んだという解釈もある。
 
雅語は「ふらここ」。「ぶらんこ」の語源については擬態語「ぶらり」「ぶらん」などから来たとする説や、[[ポルトガル語]]の balanço (バランソ、[[英語]]のバランス、swing スイングの意もある)、もしくはBlanco(ブランコ、[[白]]色)から来たとする説などがある。なお、ポルトガル語版での対応項目タイトルは「Balanço」、フランス語版では「Balançoire」となっている。
また、雅語は「ふらここ」。
 
*[[サーカス]]などの曲芸には[[空中ブランコ]]という独特なブランコが使われる。非常に高い位置から2条の紐が降りていてその先に細長い棒のようなものがあるだけである。一般のブランコの紐を長くし台を極限まで小さくしたものと解してよい。英語では、遊具のブランコは swing、空中ブランコは trapeze と呼ぶ。
語源については擬態語「ぶらり」「ぶらん」などから来たとする説や、[[ポルトガル語]]の balanço (バランソ、[[英語]]のバランス、swing スイングの意もある)、もしくはBlanco(ブランコ、[[白]]色)から来たとする説などがある。
 
== 種類 ==
なお、ポルトガル語版での対応項目タイトルは「Balanço」、フランス語版では「Balançoire」となっている。
=== 一方向ブランコ ===
座板を2本の鎖で支柱から吊り下げる構造をもつ最も一般的なもので通常は単に「ブランコ」というが、関連文献などでは他の種類と区別するため「'''一方向ブランコ'''」として類型化されることがある<ref name="yuugujikoboushimanual_p79">松野敬子・山本恵梨『楽しく遊ぶ 安全に遊ぶ 遊具事故防止マニュアル』 p.79 2006年 かもがわ出版</ref>。座板の材質・形状については、木製の板状のもの、金属製の椅子状のもの、ゴムやポリウレタン製で腰まですっぽり覆われるバケツ型のものなどがある<ref name="yuugujikoboushimanual_p80-84">松野敬子・山本恵梨『楽しく遊ぶ 安全に遊ぶ 遊具事故防止マニュアル』 p.80-84 2006年 かもがわ出版</ref>。ただ、ブランコについては飛び降り時に他の遊具や安全柵と衝突するなどの原因による事故も報告されており、座面の改善や転落への対策等が必要という指摘がある<ref name="yuugujikoboushimanual_p79-89">松野敬子・山本恵梨『楽しく遊ぶ 安全に遊ぶ 遊具事故防止マニュアル』 p.79-89 2006年 かもがわ出版</ref>。
 
==遊び= 全向ブランコ ===
ゴム製の[[タイヤ]]を3本の鎖で支柱から吊り下げる構造をもつもので「タイヤブランコ」もしくは「全方向ブランコ」と呼ばれる<ref name="yuugujikoboushimanual_p90">松野敬子・山本恵梨『楽しく遊ぶ 安全に遊ぶ 遊具事故防止マニュアル』 p.90 2006年 かもがわ出版</ref>。
 
=== 箱ブランコ ===
可動部に2人~3人が向かい合って座る構造の4人ないし6人乗りの大型のブランコ。「箱ブランコ」のほか「揺りかご型ブランコ」あるいは「丸ブランコ」などとも呼ばれる<ref name="yuugujikoboushimanual_p62">松野敬子・山本恵梨『楽しく遊ぶ 安全に遊ぶ 遊具事故防止マニュアル』 p.62 2006年 かもがわ出版</ref>。
 
ただ、可動部の重さ、地面との隙間が狭いこと、指や足を挟む隙間が多いなどの問題点が指摘され、1960年代から頭蓋骨骨折や脳挫傷などによる死亡事故の報告例があった<ref name="yuugujikoboushimanual_p63-76">松野敬子・山本恵梨『楽しく遊ぶ 安全に遊ぶ 遊具事故防止マニュアル』 p.63-76 2006年 かもがわ出版</ref>、このようなことから全国的に撤去される例が多くなっている。国土交通省管轄の公園においては、2001年には約13000台設置されていたが、2004年には約3600台にまで減少している<ref name="yuugujikoboushimanual_p62"/>。
 
{{main|箱ブランコ}}
 
=== 遊動円木 ===
長い座板の両端を鎖で支柱から水平に吊り下げた構造をもつ遊具<ref name="yuugujikoboushimanual_p77">松野敬子・山本恵梨『楽しく遊ぶ 安全に遊ぶ 遊具事故防止マニュアル』 p.77 2006年 かもがわ出版</ref>。遊動円木についても事故の報告があり、座面の材質や可動部の重さが問題点として指摘されている<ref name="yuugujikoboushimanual_p78">松野敬子・山本恵梨『楽しく遊ぶ 安全に遊ぶ 遊具事故防止マニュアル』 p.78 2006年 かもがわ出版</ref>。
 
{{main|遊動円木}}
 
== 遊び方 ==
2本の鎖やロープによってぶら下げられた椅子(踏み台)に乗り[[振り子]]の原理を利用し前後にゆらし、踏み台を漕ぐことによって振幅を徐々に大きくすることで振り子運動を楽しんだり高度感を味わったりする。[[物理学]]的には、[[パラメータ励振]]で説明できる。具体的にいうと立ち乗りで漕ぐときには、最下点付近の[[遠心力]]が最も大きくなるあたりで立ち上がり、最上点付近の遠心力が小さなところでしゃがむ運動を繰り返している。
 
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:乗る人をA・Bとすると、Aが座り乗りをし、Bが立ち乗りをする。BはAと向かい合わせに立つことが多いが、同じ向きに立つことも可能である。Bの足の位置はAと鎖の間に滑り込ませることもあるし、鎖の外側に足を置くこともある。この方法も2人立ち乗りと同様に足場が狭くなることから転落の可能性が高く、振れの角度によっては座っている人が落下する可能性もあり、安全な乗り方ではない。
 
==種類 文化 ==
上で紹介した一般的なブランコのほかに次のようなブランコもある。
*[[サーカス]]などの曲芸には[[空中ブランコ]]という独特なブランコが使われる。非常に高い位置から2条の紐が降りていてその先に細長い棒のようなものがあるだけである。一般のブランコの紐を長くし台を極限まで小さくしたものと解してよい。英語では、遊具のブランコは swing、空中ブランコは trapeze と呼ぶ。
*[[大韓民国|韓国]]では、旧暦[[4月8日]]([[灌仏会|釈迦誕辰日]])から[[5月5日]]([[端午の節句]])までの期間、女性が特設の長いブランコを楽しむ風習(クネトゥィギ)がある。このブランコをクネといい、村の入り口や広場の木にぶら下げたり、足場を組んで作った長いブランコで、これに乗ってどこまで高く漕げるかを競うという。
 
*かつて、全国で[[公園]]などによく設置されていた4人乗りの大型のブランコを[[箱ブランコ]]と呼ぶ。[[1990年代]]以降は子供の不注意や危機感の欠乏によりゴンドラと支柱や地面の間に足を挟まれ[[捻挫]]や[[骨折]][[事故]]が多発し撤去されたため、最近ではほとんどみられない。
 
==その他==
*[[深夜]]の公園で一人でブランコに座っている若い女性あるいは中年男性は、寂しい人を象徴するシーンとして[[映画]]や[[テレビドラマ]]などでよく使われる。比較的よく知られたものに[[黒澤明]]「[[生きる (映画)|生きる]]」や[[増村保造]]「[[暖流]]」のシーンがある。
*[[ヨーヨー]]の技の一つに、糸でブランコの骨組みを象りヨーヨー本体でブランコを表現する「ブランコ」という技がある。
*[[俳句]]における[[春]]の[[季語]]である。
*日本のテレビアニメ「[[アルプスの少女ハイジ (アニメ) |アルプスの少女ハイジ]]」のオープニングには、非常に長い紐のブランコに乗るシーンがある。目視と計算によると、このブランコの最高速度は時速60 [[キロメートル毎時|km/h]]を越えると言う。([[柳田理科雄]]による説。)
*[[飲食店]]などで、[[衣紋掛け|ハンガー]]や[[椅子]]などにかけた[[洋服]]などから[[財布]]などを盗む手口をブランコ[[スリ]]という。
*ブランコをこぎながら[[靴飛ばし]]をする遊び方もある。
*[[大韓民国|韓国]]では、旧暦[[4月8日]]([[灌仏会|釈迦誕辰日]])から[[5月5日]]([[端午の節句]])までの期間、女性が特設の長いブランコを楽しむ風習(クネトゥィギ)がある。このブランコをクネといい、村の入り口や広場の木にぶら下げたり、足場を組んで作った長いブランコで、これに乗ってどこまで高く漕げるかを競うという。
 
===ブランコをテーマにした音楽===
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* [[ブランコ (童謡)|ブランコ]] - [[都築益世]]作詞、[[芥川也寸志]]作曲の童謡。
* [[ブランコ (みんなのうた)|ブランコ]]([[日野てる子]]、[[NHK東京児童合唱団|東京放送児童合唱団]]) - [[1973年]][[6月]]に[[日本放送協会|NHK]]の『[[みんなのうた]]』で紹介された楽曲。作詞:[[水木かおる]]、作曲:[[一ノ瀬義孝]]。なお映像に出て来たブランコは本項で紹介された物ではなく、遊園地の金属製ブランコ(別名:ウエーブ・スインガー)である。
 
== その他 ==
*日本のテレビアニメ「[[アルプスの少女ハイジ (アニメ) |アルプスの少女ハイジ]]」のオープニングには、非常に長い紐のブランコに乗るシーンがある。目視と計算によると、このブランコの最高速度は時速60 [[キロメートル毎時|km/h]]を越えると言う。([[柳田理科雄]]による説。)
*[[ヨーヨー]]の技の一つに、糸でブランコの骨組みを象りヨーヨー本体でブランコを表現する「ブランコ」という技がある。
*[[飲食店]]などで、[[衣紋掛け|ハンガー]]や[[椅子]]などにかけた[[洋服]]などから[[財布]]などを盗む手口をブランコ[[スリ]]という。
 
== 関連項目 ==
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* [[ピエール=オーギュスト・ルノワール]]
 
== 外部リンク脚注 ==
{{Reflist}}
* [[:en:Trapeze|空中ブランコ]] (英語版)
 
[[Category:遊具|ふらんこ]]