「入学試験」の版間の差分

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===相次ぐ出題ミス・採点ミス===
特に[[2000年]]代以降、日本では、各高校・大学の入学試験で、出題ミスや採点ミスが多く判明し、報道されるようになってきている。特に、[[兵庫県]]で2009年に行われた入学試験では、8割を超える高校に於いて採点ミスが判明。採点ミスは122校、1,447人に及んでおり、教育行政や入試制度の根幹を揺るがしかねない事態となっている<ref>[http://sankei.jp.msn.com/life/education/090420/edc0904202122002-n1.htm 122校で採点ミス「意識が甘い」と教育長 兵庫県立高校入試] 産経新聞 2009年4月20日</ref>。
 
==日本での経緯==
日本では[[高度経済成長]]期頃から、よりよい進路のため[[学歴]]を身につけようとする風潮が広まり、また当時の社会全体も強力なエリートを欲していて、それにつれて大学受験競争が活発になった。そこから、[[進学校]](主に[[学力偏差値|入学偏差値]]の高い学校をさす)へ入学することがその後の受験に有利であるとの認識から、高校受験、中学受験と、次第に受験競争は低年齢化しながら過熱した。また、私立学校を中心として、入学すれば上級学校へ進学する際に通常の入試を受けずに内部進学できる場合が多いことも受験競争を過熱させる原因となっている。小学校受験、幼稚園受験に至っては明らかに本人の意志よりも両親の意志によって競争が行われている面が大きく、これを揶揄して'''お受験'''と呼ばれる。実際、それらの受験をテーマにしたドラマや映画がある。進学競争が過熱して成長期の[[子供]]の健全な学校生活や日常生活まで圧迫するようになった状況は'''受験戦争'''とまで形容された。その受験戦争により、受験に失敗したことから自殺を図った若者も多く、当時話題になった。
 
人口の[[少子化|少子高齢化]]が進むなか、受験もその影響を受けている。大学は受験者数全体の減少のため志願倍率も全体として低下し、一部の大学では定員割れが常態化している。だが、[[学歴社会]]自体は一部では未だに存在し、特定業種の企業の[[採用試験]]などでは大きな扱いの違いが生じる。
 
大学受験の倍率低下に比して、中学受験は依然活発である。これは、一部都市圏における公立中学への信頼度低下や、少子化の影響で子供ひとりあたりにかける[[教育費]]が増加したことなどが原因と考えられる。その一方、中学受験による親の経済的負担の増加も著しい。
また、公立の[[中高一貫教育|中高一貫校]]や[[小中一貫校]]も出現したが、一部の人たちしか享受できないとして批判がある。
 
教育費は、現代の家庭の家計状況を測る重要な基準となっており、家計支出に占める教育費の割合は[[エンジェル指数]]と呼ばれる。これは、食費の割合である[[エンゲル係数]]になぞらえたものである。
 
受験の失敗による受験生本人の尊厳の回復が約束されないままの受験制度の現状存続には、「青少年の尊厳を傷つけるものであり好ましくない」との批判が一部から挙がっているが、一方で「受験は人間が大人になるうえで避けて通れない[[通過儀礼]]であり、単に学力だけでなく、競争や自制によって集中力や向上心、自立心等を鍛え、涵養していくためにも重要といえる」と賛成する意見も多く、今もって具体的な解決は為されていない。現在、上級学校で入学試験重視の学校制度を維持している国は[[先進国]]では日本を含め少数である。これは、日本では入ることが困難であるが、外国の大学では卒業が困難であることと密接な関係がある。
 
とは言え、[[少子化]]と[[学力低下]]が相まって、選り好みをしなければ大学へ入学するのは極めて容易になった。最近では、[[高度成長期]]のような受験戦争は一部の難関校や人気のある学部(例えば旧帝国大学や国公私立を問わず人気のある大学、医学・医療系学部、法学系学部、経済系学部、外国語学部など)に限られてきている。
 
==日本以外での現状==