「平面波」の版間の差分

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夜仮面様 (会話 | 投稿記録)
m 正方格子
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242行目:
</td></tr></table>
 
===n重周期関数と逆格子についての補足===
以下、格子について、補足を行う。n次元標準正方格子<math>\mathbb{Z}^{n}</math>を、以下のように定義する。即ち、n次元標準正方格子空間
Fを実数値あるいは複素数値の実n変数関数とする。
 
Fが、少なくともl個の周期<math>{T}_{1},\cdots,{T}_{l}</math>を持ち、
かつ、<math>{T}_{1},\cdots,{T}_{l}</math>が一次独立であるとき、
Fはl重周期関数であるという。
 
特に、n重周期関数Fに対し、Tの列ベクトル全て、即ち<math>{T}_{1},\cdots,{T}_{l}</math>
がFの周期となるようなn次正則行列
 
<math>T=({T}_{1},\cdots,{T}_{l})</math>
 
が定まる。このようなTを、本稿ではFの周期行列と言うことにする。周期行列が定まるようなFに対し、以下の定理が成り立つ。
 
<table)<tr><td>
定理:(周期関数の標準化)<br>
Fを実n変数関数、Tを、n次元正則行列とし、Tの列ベクトル全て、即ち<math>{T}_{1},\cdots,{T}_{n}</math>
がFの周期となるようなn重周期関数とする。この時、
 
<math>H(y)=F(Ty)</math>
 
とすると、H(y)は
 
<math>{e}_{1},\cdots,{e}_{n}</math>のすべてを周期とするようなn重周期関数である。
</td></tr></table>
 
この定理により、周期行列が存在するようなn重周期関数の問題は、すべて、標準正方格子を周期格子として持つような周期関数の問題に帰着されることが判る。
 
 
n次元標準正方格子<math>\mathbb{Z}^{n}</math>を、以下のように定義する。即ち、n次元標準格子空間
は、成分全てが整数となるようなn次元実数ベクトルを全て集めることによって出来た集合である。
 
<div align=center>
<math>\mathbb{Z}^{n} = \left\{ \left. \left( \begin{matrix}
z_1 \\
280 ⟶ 253行目:
\end{matrix} \right)\ \left| \begin{matrix}
x_1 ,\cdots , x_n \in \mathbb{Z} \\
\end{matrix} \right. \right\} \right.</math></div>
 
<math>\mathbb{Z}^{n}</math>は、
291 ⟶ 264行目:
のように展開することが出来る。この展開は、一意的である。
 
又、n次正則行列Aに対し、<math>A\mathbb{Z}^{n}</math>を、
 
<div align=center>
<math>A\mathbb{Z}^{n} = \left\{ \left. A\left( \begin{matrix}
z_1 \\
299 ⟶ 273行目:
\end{matrix} \right)\ \left| \begin{matrix}
x_1 ,\cdots , x_n \in \mathbb{Z} \\
\end{matrix} \right. \right\} \right.</math></div>
 
と定め、n次元正則行列Aによって生成された格子空間と呼ぶ。
312 ⟶ 286行目:
Aによって、必ず<math>A\mathbb{Z}^{n}</math>に移すことが出来る。
 
ここで、<math>{A}_{j}</math>は、Aの第j列ベクトルである。即ち<math>{A}_{j}=A{e}_{j}</math>である。
<math>{A}_{j}=A{e}_{j}</math>である。
 
===n重周期関数と周期格子===
Fを実数値あるいは複素数値の実n変数関数とする。
 
逆にFが、少なくともl個の周期<math>A{T}_{1},\mathbbcdots,{ZT}^_{nl}</math>上の点はを持ち、
かつ、<math>{T}_{1},\cdots,{T}_{l}</math>が一次独立であるとき、Fはl重周期関数であるという。
Aの逆行列<math>{A}^{-1}</math>によって、<math>{Z}^{n}</math>に移る。
 
特に、n重周期関数Fに対し、Tの列ベクトル全て、即ち<math>{T}_{1},\cdots,{T}_{l}</math>
がFの周期となるようなn次正則行列
 
<div align=center>
以降、周期行列Tを持つ空間n重周期関数Fに対し、
<math>T=({T}_{1},\cdots,{T}_{ln})</math></div>
 
が定まる。本稿では、このようなTを、本稿ではFの周期行列と言うことにする。周期行列が定まるようなFに対し、以下の定理が成り立つ。
<math>
({}^{t}{G})*T=2\pi E</math>
 
<table)><tr><td>
を、「Fの逆格子空間を定める行列」と言い、
定理:(周期関数の標準化)<br>
<math>G{Z}^{n}</math>のことを、Fの逆格子空間という。
但しEはFを実n変数関数、Tを、n次単位元正則行列とし<math>{}^{t}</math>はTの列ベクトル全て転置作用素(即ち<math>{T}^_{t1},\cdots,{GT}_{n}</math>はGの転置行列)
がFの周期となるようなn重周期関数とする。この時、
である。
<div align=center>
<math>H(y)=F(Ty)</math></div>
とすると、H(y)は、<math>{e}_{1},\cdots,{e}_{n}</math>のすべてを周期とするようなn重周期関数である。
</td></tr></table>
 
この定理により、周期行列が存在するようなn重周期関数の問題は、すべて、標準正方格子を周期格子として持つような周期関数の問題に帰着されることが判る。
 
===平面波の周期性===