「交響曲第6番 (マーラー)」の版間の差分

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そりの鈴をスレイベルに改名
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第1主題は自らを鼓舞するかのような悲壮感をたたえたもので、非常に好戦的な行進曲である。つづいてホルンが劇的な跳躍進行を示す。これを第2主題と見る解釈もあるが、再現しないことと、和声進行が序奏のコラールによっていることから経過句と見る方が自然である。この経過句の対位旋律として第1主題の行進曲のモティーフが絡みついている。第2主題は木管で軽快に、飛び跳ねるように現れる。
 
いったん序奏の雰囲気が戻るところから展開部。カウベルの響きから第2主題を経て次第に高揚し、チェロが威嚇するように第1主題の断片を奏するが第2主題が主導権を握り、ニ長調の勝ち誇ったような雰囲気で大きなクライマックスを築いたところで第1の[[ハンマー (楽器)|ハンマー]](杵のような巨大なもの)が打ち鳴らされる。コラール風な音型が動揺を示すが、立ち直って今度は勇壮な行進曲となり第1主題による本格的な展開が開始される。ここでもモットー和音が何度も鳴らされる。[[交響曲第2番 (マーラー)|交響曲第2番]]の第5楽章展開部の行進曲の動機も引用される。これが「火のように」「いくらかせき込んで」「さらに一層せき込んで」と突進するように盛り上がり、再び第2主題が「徐々に落ち着いて」イ長調で凱歌を揚げようとするところで第2のハンマーが打たれる。「ペンテ」でコラール風経過句の展開となるが、テンポを上げながら「前進!」し、タムタムの一撃で序奏の主題が戻るところから再現部となる。
 
モットー和音が示され、再び「遠くから」カウベルが響く。気分が落ち着くと「グラツィオーソ」で第2主題が先に再現する。「前進」「ピウ・モッソ」で次第に力を取り戻して、やっと第1主題が再現されるが、今度は小太鼓、グロッケンシュピール、トライアングルを伴って華やかに装飾されている。コラール風経過句もかなり変形されて再現され、激しい騎行のリズムに移ると劇的なクレッシェンドとシンバルの一撃でイ長調に転じ、「落ち着いて」「ペンテ」で勝利を思わせる輝かしい曲調になるが、タムタムに導かれた三度目の序奏主題の回帰でイ短調のコーダに入る。ティンパニのリズムとモットー和音が示される(削除された第3のハンマー打撃箇所)。音楽は暗くうち沈み、金管がうめくような第1主題の動機を出すが、やがて次第に静寂へと向かう。とどめをさすような強烈なイ短調の和音がたたきつけられ、ティンパニが容赦なくリズムを刻んで終わる。
 
演奏時間は27.5分~34.5分程度。