「ハドスン夫人」の版間の差分

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料理の腕前
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ホームズはその有名な女嫌いの性癖とは別に、女性に対する態度は誠実で紳士的であり、ハドスン夫人もこの迷惑きわまる下宿人を尊敬し、好感を抱いていた。『[[空き家の冒険]]』で、狙撃される危険も顧みず、ホームズに似せた蝋人形を動かす仕事を受け持つなど、時にはホームズのために重要な役割を果たしている。また、『[[瀕死の探偵]]』ではホームズの病状をワトソンに伝えている(そう仕向ける事がホームズの狙いだったのだが)。
 
ハドスン夫人の料理の腕前については、ワトスンが「[[ブラック・ピーター]]」ですばらしい朝食を用意したと記している<ref>原文 and we sat down together to the excellent breakfast which Mrs. Hudson had prepared</ref>。「[[海軍条約文書事件]]」では、突然の来客であるフェルプスを含めた3人分の朝食にチキンカレーやハムエッグを用意して、「[[バラエティ]]にはやや欠けるが、気が利く人で、朝食のアイディアは[[スコットランド]]人女性も顔負け<ref>原文 “Mrs. Hudson has risen to the occasion,” said Holmes, uncovering a dish of curried chicken. “Her cuisine is a little limited, but she has as good an idea of breakfast as a Scotchwoman.</ref>」だとホームズに評されている。この評価はハドスン夫人の腕前を賞賛したものと考えられている<ref>ジャック・トレイシー『シャーロック・ホームズ大百科事典』日暮雅通訳、河出書房新社、2002年、262頁</ref><ref>マシュー・バンソン編著『シャーロック・ホームズ百科事典』日暮雅道監訳、原書房、1997年、217-218頁</ref>が、異なる解釈もある。突然の来客をもてなすため、やむなく残っていた前日の腐りかけた肉を使用し、カレーで腐敗をごまかしていることを皮肉ったとする解釈である。当時の定説では、スコットランド人はケチだということになっていた<ref>コナン・ドイル著、クリストファー・ローデン注・解説『シャーロック・ホームズ全集 第4巻 シャーロック・ホームズの思い出』小林司・東山あかね、高田寛訳、河出書房新社、1999年、516頁</ref>。
ハドスン夫人の料理の腕前は、ホームズによれば「[[バラエティ]]にはやや欠けるが、朝食に関しては[[スコットランド]]人よりはまし」(『[[海軍条約文書事件]]』)だった。
 
== パスティーシュ作品におけるハドスン夫人 ==
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;『シャーロック・ホームズ家の料理読本』([[1981年]]) - [[晶文社]]
*イギリスの料理研究家[[ファニー・クラドック]]著。ハドソン夫人が書いたという設定の料理本。料理のレシピの他、ヴィクトリア時代の生活の知恵が紹介されており、随所にホームズやワトソンに纏わるエピソードが盛り込まれている。なお、本書ではハドソン夫人のファーストネームはサラとなっている。
 
== 脚注 ==
<references />
 
{{シャーロック・ホームズシリーズ}}