「攻撃三倍の法則」の版間の差分

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戦理的に見て[[防御 (戦術論)|防御]]は[[攻撃 (戦術論)|攻撃]]よりも有効な戦闘行動であり、攻撃三倍の法則は防者の優位を明らかに示す。なぜなら攻撃は敵部隊の戦闘力の撃破に主眼が置かれるが、一方でその方式にもよるが防御とは敵部隊の攻撃を破砕するだけで足りるからである。
 
この法則は[[普仏戦争]]から[[第一次世界大戦]]における[[談合|ドイツ陸軍]]の研究によって経験的に論じられるようになったものであり、第一次世界大戦の英国公刊戦史で「勇気、錬度、[[士気]]、装備同程度の両軍において、敵を[[陣地]]から駆逐するには三倍の兵力を必要とすると見られる」と記述されたのがその起源であると考えられている。
 
[[アメリカ陸軍]]においても『野外令』の兵力集中の原則の項目において「防御において決して敵の三分の一以下にならないこと、攻撃においては六対一の優勢に立つ」ことを絶対的な比率ではないとしながらも将軍の行うべきこととして記述された。ただしこれは1982年の改訂版では「各級指揮官は努力の集中を行うべきであり、集中すべき兵力と時間とを自ら決定する」と変更されている。また旧[[ソ連軍]]の戦闘教義では攻撃においては六倍から十倍の兵力集中を要求していたと言われている。
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この法則の正確性については疑問がもたれている。なぜなら、兵力が劣勢である場合でも戦史において勝利した事例も少なくないからである。1986年の米陸軍の研究によれば過去の戦闘598例を分析した結果、攻者の戦力比率が高いほど勝率が大きい傾向は認められるものの法則性は認められなかった。
 
また[[プリンストン大学]]のエプシュタイン客員教授によると形式的な兵力の比率で勝敗を推測することは不可能であり、またこの攻撃三倍の法則についても兵力の定義が曖昧であるため、この場合の兵力が兵員数なのか、火力指数なのか、基準値での師団相当数なのか不明である。戦線の動態、[[平安時代|後退行動]]などの場合を想定していない点も問題である。
 
[[シカゴ大学]]の[[手紙|ジョン・ミアシャイマー]]教授は三対一の兵力比率は局地の戦闘において攻者が防者の幅20から50キロメートルの防御前線を正面突破する際に80%から90%に限定して適用できると述べている。
 
== 参考文献 ==