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夜仮面様 (会話 | 投稿記録)
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科学の論文においては、(掲載されている雑誌の特段の規定がない限り)通常、論文はIMRAD型で書かれるものとして認識されているため、それを守らぬ論文は受理されない。また、査読のない雑誌や、紀要、その他口頭発表等において、読者(聴衆)はIMRAD型を想定して、読む(聴く)ため、そのような構成をとっていないと'''読者側に無視される可能性がある'''。このような話は、単なる偏見でも郷に入れば郷に従えという話でもない。そういう構成をとった方が科学的な議論をする上で便利だからである。IMRAD型で記述しているか否かが科学的と見なされるか否かの分水嶺であるといっても言い過ぎではない。
 
しかしながら、IMRAD型は多少のバリエーションを許す。MethodとResultが合体して1つの項目になっていることやResultsとDiscussionが合体して1つの項目になっていることもある。本記事では、このような、やや変則なものもIMRAD型と考える。さらに、最近では[[Nature]]などの最高峰レベルの雑誌に掲載されるに論文においては、Methodを最後に廻す構成、つまりIRDAM型になっていることがよくある。Methodを最後に廻す構成については、'''IRDAM'''という呼び方もあるが<ref name=Day/>、本記事では、IMRADと本質的な違いがないと考え、特に強調を要する場合を除いてこれもIMRAD型と考える。

さらに、最近では、Materialを初め、詳細なデータ等のディテールを示した「Supporting Online Material」というWeb上のファイルを各ジャーナルのサイト上に置き、購読者にオンラインで配布する方式もとられてきている。その理由は、Methodや、データを紙面の都合から省略せざるを得ないということが、捏造事件等の温床になったという反省がある。オンライン上の独立したファイルにすれば、執筆者には論文全体の論旨とのバランスを考えずに好きなだけ実験の妥当性やデータのありようについて詳細に説明する機会が与えられる。
 
また、I、M、R、D、Cそれぞれが、どのレベルの項目になるのかについては場合による。つまり、節であるべきなのか段落であるべきなのか、数文であるべきなのか1文であるべきなのか、あるいは文の中の数単語であるべきなのかはケースバイケースである。通常は段落レベルか、節レベルか章レベルのことが多い。また、これらの要素のレベルは統一するのが原則である。つまり、通常は、字数制限などの特殊な事情がない限り、Iが段落ならば、MやRも段落とする、Iが節ならMも節とするなど、項目のレベルを揃える。それぞれの長さ(字数)については、通常はRやDが長く、Mは短い等、長さにはばらつきがある。また、それぞれの要素が結合(Result and Discussionのように)されることや省略されることがある。ある程度長い論文(Full Paperや学位論文等)では、I、M、R、D、Cそれぞれを章または節として扱うのが普通である。比較的短い論文(Letter等)においては、I、M、R、D、Cそれぞれが、節として明示されるには至らない程の数段落の集まりのことが多い。それ以下の長さの場合(論文の予稿や講演要旨等)、場合によっては、1文の中にResultとDiscussionが並存するようなことさえありえる。また、要素のうちいくつかが欠落するケースもある。例えば学会等の予稿では、「講演時に行うことは自説の解説ではなく、『自分達のデータにどういう解釈が可能なのかの議論』を行うべきだ」という立場をとる者等は、Discussionを予稿に書かない。