「吹奏楽の歴史」の版間の差分

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本項「'''吹奏楽の歴史'''」では、世界における[[吹奏楽]]の[[歴史]]について説明する。
 
『新版吹奏楽講座』によれば、吹奏楽とは、「[[管楽器]]と[[打楽器]]のみの合奏、すなわち[[弦楽器|弦]]のない[[オーケストラ]]である」と規定される<ref>[[#吹奏楽講座|『新版吹奏楽講座1』(1983)]]</ref>。「吹奏楽」という[[日本語]]は、[[ドイツ語]]のブラスムジーク ''Blasmusik'' (''Blas''は「吹く」の意)からの訳語とも考えられており<ref name=osaki>[[#大崎|大崎(2004)]]</ref>、日本では一般に「[[ブラスバンド]]」''Brass band'' と称されることも多い。ただし、ブラスバンドは本来、[[真鍮]](''brass'')を主素材とする[[金管楽器]]と打楽器によって編成される楽団という意味であり、厳密には吹奏楽のなかの一形態にすぎない<ref name=osaki/><ref name=bs89>[[#bs|『JBCバンドスタディ』(2005)p.89]]</ref>。このように、日本語の「ブラスバンド」「ブラバン」には混用がみられる一方で、「吹奏楽」には、それに相当する[[英語]]が存在しない<ref name=osaki/>。吹奏楽のなかには、狭義のブラスバンド(金管バンド)のほか、[[シンフォニック・バンド]]、[[コンサート・バンド]]、[[ウィンド・アンサンブル]]、[[ウィンド・オーケストラ]]、[[マーチング・バンド]]など多種多様な形態があり、その発達のあり方や歴史的変遷は、国や地域により異なる<ref name=bs89/>。
 
なお、上述の定義にしたがえば、日本の[[雅楽]]も[[篳篥]](ひちりき)や[[笙]](しょう)、[[横笛]]が中心となっており、[[催馬楽]]や[[管弦 (雅楽)|管弦]]をのぞけば吹奏楽の一形態ととらえることが可能である<ref group="注釈">[[三線]]以前の[[琉球王国]]の伝統音楽や中国の「[[鼓吹]]」も一種の吹奏楽である。[[#長生|長生(1999)p.10]]</ref>。しかし、ここでは一般に日本で「ブラスバンド」「ブラバン」と称せられる、[[洋楽]]のなかの一演奏形態ないし一ジャンルとしての吹奏楽について、その歴史的変遷を叙述する。