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Asai1920 (会話 | 投稿記録)
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'''クジャク'''('''孔雀''')は[[キジ科 (Sibley)|キジ科]]の[[鳥類]]で、[[中国]]から[[東南アジア]]、[[南アジア]]に分布する[[クジャク属]]2種とアフリカに分布するコンゴクジャク属1種から成る。通常クジャクといえば前者を指す。
 
雄は大きく鮮やかな飾り羽を持ち、それを扇状に開いて雌を誘う姿が有名である。最も有名なのは羽が青藍色の[[インドクジャク]]で、翠系の光沢を持つ美しい羽色の[[マクジャク]]は中国から[[ベトナム]]、[[マレー半島]]にかけて分布する。コンゴクジャクは[[コンゴ盆地]]に分布し、長い上尾筒(じょうびとう)を持たない。
 
羽は工芸品に広く分布されてきたほか、主に[[サソリ]]等の毒虫や毒蛇類を好んで食べるため益鳥として尊ばれる。さらにこのことが転じて、邪気を払う象徴として[[孔雀明王]]の名で[[仏教]]の信仰対象にも取り入れられた。[[クルド人]]の信仰する[[ヤズィード派]]の主神[[マラク・ターウース]]は、クジャクの姿をした[[天使]]である。また、[[ギリシア神話]]においては女神[[ヘーラー]]の飼い鳥とされ、上尾筒の模様は百の目を持つ巨人[[アルゴス]]からとった目玉そのものであるとする説がある。
 
日本へは[[推古天皇]]6年([[598598年]])に[[新羅]]がクジャク送ったという記事が『[[日本書紀]]』にある<ref>鐘江宏之『律令国家と万葉びと (全集 日本の歴史 3)』162頁</ref>
 
雄の飾り羽は尾羽の様に見えるが、上尾筒(じょうびとう)という尾羽の付け根の上側を覆う羽が変化したものであり、雌にアピールするための羽である。褐色をした実際の尾羽はその下にあり、繁殖期が終わり上尾筒が脱落した後やディスプレイの最中などに観察できる。
 
孔雀の雄の羽は[[性淘汰#同性間淘汰と異性間淘汰|異性間淘汰]]によって発達した例として知られるが、その発達の理由もいくつか提唱されている。(1)整った羽を持つ個体は[[寄生虫]]などに冒されていない健全な個体であると同時に生存に有利な遺伝子を持つ事をアピール出来、優先的に子孫を残せるという説([[オネストアドバタイズメント理論]])(2)捕食されやすい長い上尾筒を持つことで健全な個体であると同時に生存に有利な遺伝子を持つ事をアピール出来、優先的に子孫を残せるという説([[ハンディキャップ理論]])(3)長い尾羽を持つ雄の遺伝子と長い尾羽の雄を好む雌の遺伝子が互いを選択した結果雄の尾羽が長くなったとする説([[ランナウェイ説]])など。