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→‎ファイル共有ソフト・サービスとしてのNapster: WinnyはNapster,WinMXとは全く違ったP2P方式を採用している。
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[[ファイル:Sean Parker.jpg|thumb|ナップスター共同設立者の[[ショーン・パーカー]]]]
'''Napster'''(ナップスター)
#[[Peer to Peer|P2P]]技術を用いた音楽の共有中心主目的するしたファイル共有サービス,またはその実施の為に製作された[[ファイル共有ソフト]]のひとつ名称
#1.と関連により知名度が高まった[[ブランド]]を利用した[[音楽配信]]サービスのひとつ、またはそのサービスを行っている企業
#1.及び2.のサービスを提供する(又はしていた)企業。
 
*本稿は両者上記全てについて述べる。
 
== ファイル共有ソフト・サービス企業としてのNapster ==
===初代===
P2Pの技術を利用した[[ファイル共有ソフト]]の一つ。[[MP3]]などのファイルを[[インターネット]]に接続された[[コンピュータ]]間で共有することができた。
ファイル共有サービスを提供。
1999年5月、開発者である[[ショーン・ファニング]]、その叔父の[[ジョン・ファニング]]、起業家の[[ショーン・パーカー]](Sean Parker)の3名により、Napster,Inc.がアメリカ・カリフォルニア州レッドウッドに設立された。ファイル共有サービスNapsterの運営主体である。
[[2003年]][[6月]]、米国[[連邦倒産法第7章]]による清算型[[倒産]]([[破産]])手続開始が決定なされた。
 
===2代目===
1998年、ノース・イースタン大学の学生だった[[ショーン・ファニング]]が、大学構内ネットワークで仲間内で[[MP3]]などの音楽ファイルを共有する目的で制作、1999年1月に発表された。
旧・Roxio社。パッケージソフト製造・販売事業を展開。
*[[2002年]]11月27日:初代Napster社の更生手続に係る資産売却において、負債以外の全資産を現金500万ドルと株式10万株で米Roxioが購入<ref>[http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20021118/5/?ST=system | ニュース - 米ロキシオが米ナップスターの全資産を買収、「ただし訴訟などの責務は負わない」:ITpro]</ref>。
*[[2003年]]5月19日:米国ユニバーサルミュージックグループと米国ソニーミュージックエンタテインメントの合弁会社であるPressplayを米Roxioが買収。買収金額は現金1,250万ドル+Roxio普通株約390万株。
*2003年[[10月29日]]:[[音楽配信]]サービス「Napster 2.0」を、一事業部門として開始<ref>[http://news.mynavi.jp/news/2003/10/30/20.html |米Roxio、「Napster」ブランドの音楽配信サービスを開始 | ネット | マイナビニュース]</ref>。
*[[2004年]][[8月9日]]:Napsterへの商号変更計画を発表。。
*2006年:無料音楽配信サービス「Free Napster」提供開始。
*2007年1月:AOL Musicの定額サービスを現金1500万ドルで買収。
*2008年9月:米国家電小売大手・Best Buy Co.,Inc.により1億2100万ドルで買収される<ref>[http://www.reuters.com/article/2008/09/15/us-napster-bestbuy-idUSN1550308820080915 Best Buy to buy Napster for $121 million | Reuters]</ref>。
*2011年11月:Best Buyが音楽定額配信事業のRhapsodyに売却、Napsterブランド消滅。
 
なお、Roxioのソフトウェア部門は、2004年に米・Sonic Solutionsに売却、2010年12月にSonic社が米・Rovi Corporationに吸収合併され、そこから2012年に加・Corel Corporationに譲渡され、ブランドとしてのRoxioは存続している。
なおNapsterとはファニングが古くから使っていた[[ハンドルネーム]]で、彼の癖毛(nappy=縮れた)に由来している。「うたたね」の意味のnapとは、特に関連はない。
 
== ファイル共有ソフト・サービスとしてのNapster ==
P2Pの技術を利用した[[WIndows]]用[[ファイル共有ソフト|ファイル共有サービス・ソフト]]の一つ。[[MP3]]などのファイルを[[インターネット]]に接続された[[コンピュータ]]間で共有することができた。
 
===はじまり===
1998年、当時[[アメリカ合衆国 | アメリカ]]・ノース・イースタン大学1年生だった[[ショーン・ファニング]](Shawn Fanning)は、既存の音楽ファイル検索サービスに不満を持っていたルームメートの声を聞き、大学構内ネットワークで仲間内で[[MP3]]などの音楽ファイルを共有できる当ソフトウェアを開発を開始した。なおNapsterとはファニングが古くから使っていた[[ハンドルネーム]]であり、彼の癖毛(nappy=縮れた)に由来している。「うたたね」の意味のnapとは、特に関連はない。
ショーンは大学の教育内容に不満を抱いていたこともあって、1999年1月に大学を中退し、以後開発に専念した。検索機能の開発にはジョーダン・メンデルソンが手腕を発揮した。
 
=== 動作の仕組み ===
ユーザーは、共有の意思があるファイルのファイル名等の[[メタデータ]]をリストとして、Napster社の[[サーバ]]に登録し、サーバがファイル名および所有者のリストを取りまとめ管理する。
ファイルの送信受け取りは、ファイルを[[ダウンロード]]しようとする者が、サーバに存在するファイル名のリストから欲しいファイルと所有者を検索し、ファイル所有者から直接ダウンロードする形であった(ハイブリッドP2P)
 
====ソフト詳説====
ファイルの送信は、ファイルを[[ダウンロード]]しようとする者が、サーバに存在するファイル名のリストから欲しいファイルと所有者を検索し、ファイル所有者から直接ダウンロードする形であった。
当ソフトはファイル共有を機能だけでなくIRCなど、音楽コミュニティの為の道具として作られている。その為か、利用にあたってはメールアドレス、年齢(5歳刻み)、年収、学歴(学位)、性別、国名、郵便番号の登録が求められていた<ref>[http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/experiments/napster_for_admin/napster_for_admin_1.html [検証]ネットワーク管理者のためのNapster入門] 。Napster Ver.2.0 Beta 7の場合。</ref>。
ファイルの共有可否は、フォルダごとに設定できるようになっており、一切非公開の設定も可能であった。
共有公開にあたっては、公開者IPアドレス、ポート番号、ping時間、ファイル名、ファイルパス、ファイルサイズ、ビットレート、[[サンプリング周波数]]、演奏時間などが取得され、Napster社のサーバに送信される。[[ID3タグ]]は収集しない。
 
=== 敗訴 プロトコル===
プロトコルは公開されていないが、暗号化が施されていなかった為解析され、OpenNapなどの互換ソフトウェアが登場した。プロトコルは数次に渡り大小の変更がなされていた。
[[著作権]]を無視したファイル交換が日常的におこなわれる(流通量の約90%だったといわれている)ことにより、このソフトを開発したNapster社は全米レコード工業会([[RIAA]])などから提訴され敗訴。
 
===ネットワークへの負荷===
当時、一般世帯でのインターネットへの接続手段はダイアルアップ接続が主であり、高速アクセス回線であるADSL<ref>ANSI T1.413 Issue 2の策定は1998年。</ref>も[[CATV]]の[[Data Over Cable Service Interface Specifications | DOCSIS]]も最初の規格が策定されて間もない状況であった。その為、当サービス利用者の多くはDigital Signal level 1(T1)などの高速回線が接続されている大学内あるいは企業内ネットワーク内部で利用されることが多かったとされている。
一部の大学においては、当ソフトウェアによるネットワーク負荷が重い事を理由に使用を禁じることもあったほか、後述の法的理由により使用を禁じる大学<ref>[http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20000831/47/ 「Napsterの学内利用禁止を掲げる大学は全体の34%」、Gartner調べ:ITpro]</ref>もあった。
 
===法的懸案と訴訟===
[[著作権]]を無視したファイル交換が日常的におこなわれる(流通量の約90%だったといわれている)ことにより、このソフトを開発したNapster社は全米[[アメリカレコード工業([[RIAA]](RIAA)などから提訴(Napster訴訟)され敗訴。
その後、このソフト、サービスは姿を消した。[[2000年代]]のインターネット社会に大きな衝撃を与えた事件である。
 
== 音楽配信サービスとしての Napster ==
[[Roxio]]社の傘下となったNapster社により[[2003年]][[10月29日]]に開始された[[音楽配信]]サービス。[[デジタル著作権管理|デジタル著作権管理技術]](DRM)を使用した[[Windows Media Audio|WMA]]方式を採用、それまでの国内の音楽配信サイトとは違い月額での[[定額制]](サブスクリプション)サービスである。[[2009年]][[12月]]現在、日本版では[[洋楽]]を中心に配信数960万曲以上を提供している。
 
===日本での展開===
それまでの国内の音楽配信サイトとは違い月額での[[定額制]](サブスクリプション)サービスである。
[[2009年]][[12月]]現在、日本版では[[洋楽]]を中心に配信数960万曲以上を提供している。
日本では[[タワーレコード]]と合弁で日本法人「[[Napster Japan|ナップスタージャパン株式会社]]」を設立、[[2006年]][[10月3日]]に「Napster Japan」としてPC向けサービスを開始。Napster To Go会員であれば、PCのライブラリをWMA DRM対応の[[デジタルオーディオプレーヤー]]や「うた・ホーダイ」対応機種の携帯端末へ転送できる。
 
2007年にはNapster Japanのiモードサイトを開設し、NTTドコモ(タワーレコードの親会社)が、コンテンツプロバイダの一つとして、「'''[[うた・ホーダイ]]'''」のサービスを開始した。対応機種ではPC版と同等の音楽配信がNapster To Goと同額の定額料金で楽しめる。ただし、ダウンロード時の通信料は別途かかるため、[[パケ・ホーダイダブル]]の契約を推奨されている。
PCから入会した場合は、To Go会員に登録の上、アカウントをiモード版へ登録することで利用可能であり、逆にiモードからNapsterへ入会した場合は、PC版の「Napster To Go」の利用が可能である。
 
2010年3月1日、[[タワーレコード]]と子会社の[[Napster Japan|ナップスタージャパン株式会社]]は、ナップスタージャパンが提供している全サービスの提供を5月31日までに終了することを発表した。
新規登録やアカウント作成は3月31日までで終了。パソコン向けの月額定額制聞き放題(サブスクリプションサービス)サービスである「Napster To Go/Basic」は5月31日をもって終了。
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== 沿革 ==
*[[1999年]][[5月]] - 起業。ファイル共有ソフトで一躍有名になる。
*[[2000年]][[7月]] - [[RIAA]]、Napster社を北カリフォルニア連邦地裁に提訴、仮決定。
*[[2000年]][[10月31日]] - 独[[ベルテルスマン]](Bertelsmann)社と、個人間ファイル交換サービスで提携。
*[[2001年]][[2月12日]] - サンフランシスコ第9巡回区連邦控訴裁判所が、北カリフォルニア連邦地裁に判決の修正命令。
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*[[2008年]][[1月7日]] - ダウンロード販売の楽曲をDRMフリーのMP3形式に統一することを発表。
*[[2010年]][[3月1日]] - 日本法人の2010年5月31日を以てのサービス終了を発表。
 
==注釈==
<references/>
 
== 関連項目 ==