「タカトクトイス」の版間の差分

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この様に、1970年代の放送業界・玩具業界のビジネス的な発展と共に、テレビ番組関連ビジネスはよりハイリスク・ハイリターンの投機的性格の高いものと変質していき、同時期の[[オイルショック]]による石油化成品類などの原料類の原価高騰と併せてタカトクの経営体力を徐々に削ぎ落として行く。その代わり、番組のメインスポンサーになるとそのキャラクターの商品化権はほぼ独占でき、作品がヒットすればその収益もより巨額になるため、それを期待しなければならなくなった。また[[団塊ジュニア|第二次ベビーブーム]]を背景とした競争の激化により、スポンサーとしてキャラクター玩具業界へ参入してくる玩具会社が増加。商品化権の独占やアニメ制作プロダクションのスケジュールを巡って競り合いが起き、番組提供費自体も高騰していった。
 
この様な要因から、たくさんのキャラクター玩具を手掛けて売上を伸ばしても、経営の内実は悪化の一途を辿る。倒産直前もなおキャラクター玩具市場で業界3位の売上規模だったものの、作品ごとの成功不成功の落差が著しく、トータルで見た場合には極度に悪化していた利益率の改善ができなかった。最終的1984年5月経営破綻したが、実際の所、タカトクにとっての致命傷は1983年にスポンサーとなった『[[超時空世紀オーガス]]』『[[イタダキマン]]』『[[銀河疾風サスライガー]]』の玩具販売が悉く不振に終わった事がタカトクにって致命傷になであった。特に『イタダキマン』『サスライガー』は不振のために放映期間が短縮され、それぞれのアニメシリーズの最終作ともなっている。『イタダキマン』では[[イタダキマン#低視聴率と打ち切り、およびその波紋|制作現場に様々な混乱が発生]]し、低迷に追い打ちを掛ける事態になってしまったのは、タカトクにとっても不運としか言い様がなかった。また、倒産時にスポンサーをしていた『[[超攻速ガルビオン]]』はタカトク倒産が直接の要因となって22話終了をもって中途[[打ち切り]]になり、同作を制作していた[[国際映画社]]多くの作品でタカトクがメインスポンサーの関係にあり、まタカトクを失ったことや打ち切りとなった『ガルビオン』絡みでの未収金発生も一因となって経営危機に陥り、翌1985年に倒産している。
 
タカトク倒産・解散の際、同社製品の金型が債権者を通じて同業他社へと流出した。またタカトクは商品企画までは行っていたものの実際の製造は全製品・全工程を外注委託していた[[ファブレス]]メーカーであり、製造委託先の中でも大口取引先だった株式会社マツシロが連鎖倒産した。マツシロは紆余曲折を経て株式会社[[バンダイ]]が傘下に収める形で新会社の株式会社ユニックスとして再建され、ユニックスの製品はバンダイブランドで発売されることになった。
 
前年のキャラクター玩具中堅の[[クローバー (玩具メーカー)|クローバー]]の倒産もあり、タカトク倒産後のキャラクター玩具市場は1位の[[バンダイ]]と2位の[[タカラ (玩具メーカー)|タカラ]]へと極めて寡占化が進み、以後は実質的にこの両社による一騎打ちと両社を中心軸にした競合下位企業の買収と連合追従が繰り返されて行く。