「鳥と獣とコウモリ」の版間の差分

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昔、鳥の一族と獣の一族がお互いに争っていた。その様子を見ていた[[コウモリ]]は、鳥の一族が有利になると鳥たちの前に姿を現し、「私は鳥の仲間です。あなたたちと同じように翼を持っています」と言った。獣の一族が有利になると獣たちの前に姿を現し、「私は獣の仲間です。[[ネズミ]]のような灰色の毛皮と牙があります」と言った。その後二つの一族間の争いは終わり、鳥も獣も和解した。しかし、幾度もの寝返りをしたコウモリはどちらの種族からも嫌われ、仲間はずれにされてしまい、やがて暗い洞窟の中へ身をひそめるようになった。
 
以上が、我が国日本で一般的に流布されているあらすじであるが、[[中務哲郎]]訳「イソップ寓話集」(1999年、岩波書店)に収録されている「蝙蝠と鼬(コウモリとイタチ)」は、
 
地面に落ちた蝙蝠が[[イタチ|鼬]]に捕まって命乞いをすると「すべて羽のあるものと戦争しているので逃がすわけにはいかない」と言われ、自分は鳥ではなく鼠(ねずみ)だと言って放免してもらう。 しばらくして別の鼬に捕まった時、今度の鼬は鼠はみな仇敵だと言うので、自分は鼠ではなく蝙蝠だと言ってまたも逃がしてもらう。
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何度も人に背く者は、やがて誰からも信用されなくなる。
 
以上が、我が国日本で一般的に流布されている教訓であるが、中務哲郎訳「イソップ寓話集」に収録されている「蝙蝠と鼬」は、「状況に合わせて豹変する人は、しばしば絶体絶命の危機をも逃げおおす、ということを弁えて、いつまでも同じところに留まっていてはならない」としている。
 
== 類似話 ==