「参加標準記録」の版間の差分

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== 設定値 ==
参加標準記録は競技によるレベルの差、記録レコードの推移を総合的に勘案した上で主催者側が設定し、あらかじめ発表される。その為、多くの大会で参加標準記録は毎回一定の基準をもって設定され、多くは競技のレコードやレベル水準の上昇と並行して引き上げられるなど、必要に応じた変更がなされることがある<ref>[http://www.iuau.jp/ev2012/81ic/81hyojun-henko.pdf 天皇賜盃第81回日本学生陸上競技対校選手権大会 参加標準記録等の変更について] - 公益社団法人日本学生陸上競技連合</ref>。
 
その設定値は大会・競技・種目によって全て異なる。ただし多くの場合、“参加標準記録”の大半は数値として厳密に設定されており、予め設定された記録に例えば時間基準ならば0秒01、ポイント制競技ならば0.001点達していなくても対象となる大会への出場資格は与えられない。
 
国際規模の大会では参加標準Aと、それよりやや記録の低い参加標準Bという2段階で設定されることがある。例えば陸上競技の多くでは、同一[[家・地域籍]]の選手中に参加標準A突破者が複数いる場合は最大3名まで出場できる。標準A突破者がいない場合に限って、参加標準B突破者が1人だけ出場できる<ref name="jaaf2012london" /><ref name="asparaasahi" />。
 
特に世界選手権クラスの国際大会に対しては、国・地域単位で競技を統括する団体が選手派遣の有無を判断する材料として、多くはその国際大会の主催者が定める参加標準記録が用いられる。しかし、時として、国・地域の競技統括団体がこれとは別により厳しい独自の“派遣基準”の値を設定し、なおかつ特定の全国規模の大会を“最終予選”として設定して、この“派遣基準”の突破を国際大会への参加(派遣)の絶対条件として求めることがある。細かくは競技や団体毎に様々な理由があるが、概して見られるのは、限りある強化費や選手・コーチの派遣費用など予算面の都合から、多額の費用を要する海外の大会については上位入賞が高い確度で期待できる“実績ある者”のみに派遣選手を絞り込むためという事情である。この場合、たとえば国内競技統括団体の判断として「競技成績の派遣基準未達」を理由に、国内チャンピオンであっても国際大会に派遣されないなどということも起きる<ref name="nikkan20120409-931336">[http://www.nikkansports.com/sports/news/p-sp-tp0-20120409-931336.html 酒井Vも記録届かず「言葉出ない」/競泳] - 水泳ニュース : nikkansports.com 2012年4月9日</ref>。
 
この様な参加標準記録や派遣基準が設定されている競技・種目の大会では、時として、競技の順位ではなく参加標準記録や派遣基準の突破の有無を巡って多くの悲喜こもごもが引き起こされる。中には選考対象となる大会で上位入賞や優勝を果たした選手が、そのことを喜ぶどころか、むしろ設定された基準値をほんの僅差で下回る記録であったため出場を目指していた上位の大会への出場権を獲得できなかったことで大きなショックを受けていたり、悲嘆に暮れるなどという事も起きる<ref name="nikkan20120409-931336" />。また、国・地域・競技にもよるが、上位の大会への参加を目指す選手にとって参加標準記録や派遣基準の突破が極めて重要な課題となることがある。この場合、目標とする大会への出場を目指して、順位よりも参加標準記録・派遣基準の突破を目的に所定の公式記録が残る大小様々な大会や記録会を渡り歩く選手が現れたりあるいは交通不便の僻地や自国外であっても過去に好記録が続出している競技施設で開催される公式大会に有力選手が大挙集結する、などといったことも、時に発生する。
 
== 有効条件 ==