「坊つちやん」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
25行目:
== 登場人物 ==
;坊ちゃん
:本編の主人公。語り手で、1人称は「おれ」。新聞報道に「近頃東京から赴任した生意気なる某」とあるのに立腹して「れっきとした姓もあり名もある」と言いながら本名、実名は明らかにしない(1977年の中村雅俊出演映画での名字は近藤となっている)。「坊っちゃん」とは、清が主人公を呼ぶ呼び名であり、また第11章では作中人物から「勇み肌の坊っちゃん」と言われる。無鉄砲な[[江戸っ子]]気質の持ち主。両親は冷たく、兄とは不仲である。物理学校の卒業生で、四国の中学校で数学教師になる。[[旗本]]の家の出で、[[源満仲|多田満仲]]([[ルビ]]は「ただのまんじゅう」)の子孫と称している<ref>夏目漱石は、満仲の弟、[[源満快|満快]]の子孫。</ref>。巻タバコを吸い(第五章)、第七章では[[敷島 (タバコ)|敷島]]とある。酒について「酒なんか飲む奴は馬鹿だ」という(第九章)。蕎麦が大好き(第三章)で、鮪のさし身、蒲鉾のつけ焼も好き(第七章)。喧嘩は好きな方(第十章)。よく夢を見る(第二章、第四章)。髪形は、五分刈(第七、十章)。一説に、弘中又一なる人物がモデルであるという。ナイフで指を切って見ろと注文され、右手親指の甲を切る(第一章)<!--ここから[[利き手]]は左手であると思われる。-->
:一説には漱石とほぼ同時期に松山中学に数学教師として着任していた弘中又一がモデルの一人とされている<ref name="asahi">朝日新聞 1971年10月2日</ref>。
;清
:坊っちゃんの家の下女。[[明治維新]]で零落した身分のある家の出。家族に疎まれる坊っちゃんを庇い、溺愛している。
:なお漱石の妻[[夏目鏡子|鏡子]]の本名は「キヨ」である。
;山嵐
:数学の主任教師。[[会津藩|会津]]出身。正義感の強い性格で生徒に人望がある。坊っちゃんとの友情を得る。名字は堀田。ニッケル側の懐中時計を用いる(第十一章)。
;赤シャツ
:教頭。松山中学でただ一人の帝大卒の文学士。陰湿な性格で、坊っちゃんから毛嫌いされる。通年、ネルの赤いシャツを着用する。琥珀製のパイプを絹のハンカチで磨く。奏任官待遇(第四章)。金側の懐中時計を用いる(第七章)。独身、弟と一戸建て(家賃9円50銭)に住む(第八章)。
:一説には漱石の松山中学教師赴任時代の教頭だった横地石太郎がモデルの一人とされている<ref name="asahi"></ref>。漱石自身は自分がモデルとしている。
;野だいこ
:画学教師。東京出身。赤シャツの腰巾着。名字は吉川。江戸っ子で、芸人ふうに「…でげす」(…です の意)と言う。
38 ⟶ 41行目:
;マドンナ
:うらなりの婚約者だった令嬢。赤シャツと交際している。坊っちゃん曰く、「色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人」、「水晶の珠を香水で暖ためて、掌へ握ってみたような心持ち」の美人。作中のキーパーソンだが、セリフはなく出番もわずか。名字は遠山。
:一説には松山市の軍人の娘であった遠田ステがモデルの一人とされている<ref name="asahi"></ref>。
;狸
:坊っちゃんの学校の校長。事なかれ主義の優柔不断な人物。奏任官待遇(第四章)。