「ブレーキ」の版間の差分

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=== 航空機 ===
[[ファイル:Frein Airbus A330 A340 vu du dessus Musée du Bourget P1010606.JPG|thumb|300px|エアバス[[A330]]・[[A340]]で使用される多板型ブレーキ。[[炭素繊維強化炭素複合材料]]製で複数のローター・プレートとステーター・プレートが互い違いで組み合う形になっており、ローター・プレートには[[タイヤ]]の[[ホイール]]の中に取り付けられている[[キー (機械要素)|キー]]に固定されるキー溝が設けられており(出っ張っているローター)、ブレーキを掛かる時は右側に取り付けてあるハウジング(白い物体)に高圧の作動油が入り込むことにより発生する油圧によって、ピストン(ハウジングから突き出でている物体)が動き、ステーター・プレートとローター・プレートを押し付けることによりブレーキが作動する。]]
航空機の場合、当然のことながら車輪とレールや道路との摩擦により走る鉄道や車とは違うため、飛行中の減速には[[スロットル]]の調整のほか、機動力が重視される[[戦闘機]]などではエンジン出力を落とすことなく減速する必要があるため、[[空力ブレーキ]]である胴体や主翼上面に取り付けられたパネル・ブレーキ(旅客機では主翼上面に取り付けられたパネル・ブレーキはスポイラーと呼ぶ)を用いることが多い。空気抵抗は速度の二乗に比例するため、高速で飛行する航空機には非常に都合のいいブレーキである。逆に、着陸時に滑走路を走行している時は空力ブレーキだけでは停止できないため、旅客機などでジェットエンジンを搭載してる機体は[[逆推力装置]]による逆噴射と同時に<ref>プロペラ機で可変ピッチプロペラを搭載している機体はプロペラの[[ピッチ]]角度を逆の角度に変えてプロペラの発生する風向きを逆にする。</ref>、車輪に内蔵されたディスクブレーキにより[[タイヤ]]と地面との摩擦によって減速する<ref>大型機や高性能機のブレーキ系統にはアンチスキッドシステム(自動車で言うABS)が組み込まれていて、各車軸に車輪速度センサーが取り付けられており、車輪が回転するにより電圧と電流信号が発生しそれがハーネスを通してアンチスキッド制御装置に送られ、それを元に制御装置が信号をスキッド制御弁に送り、制御弁が可動してブレーキの油圧をコントロールするシステムとなっている。</ref>。ディスクブレーキには単板型と双板型(2枚のディスクを持つ)と多板型(複数のローター・プレートと呼ばれるタイヤのホイールの中に取付けられている[[キー (機械要素)|キー]]で固定されて一緒に回転するブレーキ・ディスクとブレーキ本体に取付けられて固定されているステーター・プレートと呼ばれるブレーキ・ライニング板が鋲打ちされたプレートがあり、この2つが互い違いに組み合わされている。)とがあり、大型機で使用されている多板型のディスクブレーキは、ブレーキを掛ける際の動力源を機体で使用されている高圧の油圧系統からの油圧を使用しており、セグメンテッド・ロータ型ブレーキと呼ばれている。また最近の大型機の多板型のディスクブレーキのロータ・プレートとステーター・プレートには[[炭素繊維強化炭素複合材料]]が使用されており軽量化が図られている。
 
でまた、戦闘機が短い[[滑走路]]に着陸する時や、[[スペースシャトル]]が着陸する時に使う減速用[[パラシュート]]([[抗力|ドラッグ]]シュート)も空力ブレーキの1つである。