「ロバート・ゴダード」の版間の差分

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[[1929年]]に行われた実験の際、多くの野次馬が集まり、消防署に通報される騒ぎとなった。やってきた新聞記者に対してゴダートはあまり大げさにしないように頼み込んだのだが、ウスターの地方紙は「月ロケットは238,799.5マイルの目標を失った」との見出しで、月を目指したロケットが失敗して空中で爆発したという内容の記事を掲載した。実際には新聞記者が見たロケットの残骸は落下したロケットが地面に激突したことによるものであり、なおかつロケットは予定の高度に達して実験は成功していたのである。ゴダートはその事を必死に説明したのだが、後の祭りであり、これがきっかけとなってマサチューセッツ州内でのロケット発射実験を禁止された。しかしこのニュースからロケットの研究に興味を持った[[チャールズ・リンドバーグ]]の推薦により新たな資金援助を得て、後に[[未確認飛行物体|UFO]]騒ぎで有名になる[[ニューメキシコ州]][[ロズウェル (ニューメキシコ州)|ロズウェル]]に実験場を移すことができた。
 
[[第二次世界大戦]]が始まると、ゴダードは[[アメリカ合衆国海軍|アメリカ海軍]]のためにロケット工学の研究を行ったが、海軍はその研究の価値を理解できなかった。唯一の例外は[[艦載機]]を短距離の滑走で発艦させるための補助ロケットだった。大戦中にゴダードは喉頭癌を発病し、終戦間際の1945年8月に62歳で死去した。ゴダードが考案・発明した特許は214にのぼるが、ほとんどは彼の死後に与えられたものである。[[1960年]]に、合衆国政府はそのすべてをゴダード未亡人から100万ドルで買い取った。
 
彼の業績研究時代を先取りしすぎていたため、同時代人からは変人扱いされ、しばしば嘲笑の対象になった。 ゴダードが[[1920年]]の論文『高々度に達する方法』で、ロケットは真空の宇宙空間でも推進できると主張したことに対し、[[ニューヨーク・タイムズ]]紙は、物質が存在しない真空中ではロケットが飛行できないことを「誰でも知っている」とし、ゴダードが「高校で習う知識を持っていないようだ」と酷評した。ゴダードは他の科学者やメディアから受けた不当な評価のため、他人を信用しないようになり、死去するまで研究は単独で行った。彼の死後、ロケットの重要性が認識されるにつれゴダードの業績が脚光を浴び、1959年に設立された[[ゴダード宇宙飛行センター]]は彼にちなんで命名された。[[1969年]]に、[[アポロ11号]]の月着陸の前日、ニューヨーク・タイムズ紙は49年前に発表したゴダードについての社説を撤回した。同紙はゴダードの実験を「より進んだ実験と調査」と呼び、「17世紀の[[アイザック・ニュートン]]の実験結果を確認し、大気中と同様に真空中でもロケットが機能飛行できることは明確にいま実証された。同紙は(作用・反作用の法則を間違って解釈していた)過ちを後悔する」との社説を発表した。またアポロ11号が月に到達した時、SF作家の[[アイザック・アシモフ]]はすでに世を去ったゴダードに向かって、「ゴダードよ、我々は月にいる」という言葉を送った。『[[新スタートレック]]』に登場する[[シャトル (スタートレック)|シャトルクラフト]]・ゴダードは、彼の名から命名されている。
 
彼の研究は時代を先取りしすぎていたため、同時代人からは変人扱いされ、しばしば嘲りの対象になった。 ゴダードが[[1920年]]の論文『高々度に達する方法』で、ロケットは真空の宇宙空間でも推進できると主張したことに対し、[[ニューヨーク・タイムズ]]紙は、物質が存在しない真空中ではロケットが飛行できないことを「誰でも知っている」とし、ゴダードが「高校で習う知識を持っていないようだ」と酷評した。ゴダードは他の科学者やメディアから受けた不当な評価のため、他人を信用しないようになり、1945年に喉頭がんで死去するまで研究は単独で行った。ゴダードが考案・発明した特許は214にのぼるが、ほとんどは彼の死後に与えられたものである。[[1960年]]に、合衆国政府はそのすべてをゴダード未亡人から100万ドルで買い取った。
 
彼の業績はロケットの重要性が認識されるにつれ脚光を浴び、1959年に設立された[[ゴダード宇宙飛行センター]]は彼にちなんで命名された。[[1969年]]に、[[アポロ11号]]の月着陸の前日、ニューヨーク・タイムズ紙は49年前に発表したゴダードについての社説を撤回した。同紙はゴダードの実験を「より進んだ実験と調査」と呼び、「17世紀の[[アイザック・ニュートン]]の実験結果を確認し、大気中と同様に真空中でもロケットが機能できることは明確にいま実証された。同紙は(作用・反作用の法則を間違って解釈していた)過ちを後悔する」との社説を発表した。またアポロ11号が月に到達した時、SF作家の[[アイザック・アシモフ]]はすでに世を去ったゴダードに向かって、「ゴダードよ、我々は月にいる」という言葉を送った。『[[新スタートレック]]』に登場する[[シャトル (スタートレック)|シャトルクラフト]]・ゴダードは、彼の名から命名されている。
 
== 脚注 ==