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'''カルピス'''とは[[日本]]の[[飲料]]メーカーである'''カルピス株式会社'''および、同社が製造販売し主力製品とする[[乳酸菌飲料]]の名称である。ローマ字表記は'''CALPIS'''。日本以外では'''Calpico'''とも。
 
カルピス本社は、[[東京都]][[渋谷区]]に所在している。[[英語|英文]]名称は'''Calpis Co., Ltd.'''。{{和暦|[[1991}}年]](平成3年)に[[味の素]]グループ入り、{{和暦|[[2007}}年]](平成19年)[[10月]]に味の素の完全子会社となった。
 
「カルピス」の名称は同社の[[商標|登録商標]]である。
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Calpisが{{Lang-en|cow piss}}(カウ ピス=牛の尿)」と聞こえることから、米国では'''CALPICO'''(カルピコ)という名称で販売される。なお、製造情報の欄には輸出会社として「CALPIS CO.,LTD.」と書かれている。
 
味の素は{{和暦|[[2007}}年]](平成19年)[[6月11日]]に同年[[10月1日]]付で、カルピス社を完全子会社化することで合意したと発表した。カルピス経営陣は他社との提携も考慮したが、今後の少子高齢化で懸念される日本市場の規模縮小と、それを補うための海外市場展開、更にはいわゆる[[三角合併]]の解禁による海外企業の買収攻勢への対応を見据え、この統合案しかないと表明。苦渋の決断だったとしている。
 
[[2012年]][[5月8日]]、味の素が[[アサヒグループホールディングス]]にカルピスの全株式を2012年10月1日付、約1200億円で売却する内容の株式譲渡契約締結が発表された<ref>[http://www.ajinomoto.co.jp/press/2012_05_08_3.html カルピス株式会社に関する株式譲渡契約締結のお知らせ] (味の素株式会社2012年5月8日付プレスリリース)</ref><ref>{{PDFlink|[http://www.asahigroup-holdings.com/ir/12pdf/120508.pdf カルピス株式会社の株式の取得(子会社化)に関する株式売買契約締結のお知らせ]}}(アサヒグループホールディングス株式会社2012年5月8日付プレスリリース)</ref>。
 
=== 沿革 ===
* {{和暦|[[1916}}年]](大正5年)[[4月]] - 前身となる醍醐味合資会社を設立。
* {{和暦|[[1917}}年]](大正6年) - ラクトー株式会社設立。
* {{和暦|[[1919}}年]](大正8年)[[7月7日]] - 日本で初めての乳酸菌飲料・[[カルピス]]発売。
* {{和暦|[[1923}}年]](大正12年) - カルピス製造株式会社に商号変更。
* {{和暦|[[1948}}年]](昭和23年) - カルピス食品工業株式会社に商号変更。
* {{和暦|[[1987}}年]](昭和62年) - フランスBSNグループ(現グループ・ダノン)と業務提携。
* [[1990年]](平成2年)
* {{和暦|1990}}
** [[1月]] - いわゆる「黒人マーク」の使用を、人種差別問題に配慮して中止。
** [[8月]] - [[第三者割当増資]]を実施。[[味の素]]株式会社が増資を引き受け筆頭株主に。
* {{和暦|[[1991}}年]](平成3年) - 味の素株式会社から飲料事業を譲受、両社の缶入り飲料事業を統合。
* {{和暦|[[1997}}年]](平成9年) - カルピス株式会社に商号変更。
* [[2007年]](平成19年)
* {{和暦|2007}}
** [[9月25日]] - 上場廃止。
** [[10月1日]] - 株式交換により味の素株式会社の完全子会社になる。
** [[10月15日]] - [[アサヒ飲料]]と[[自動販売機]]事業の統合を公表。
** [[12月10日]] - アサヒ飲料との共同出資で、自動販売機事業の持株会社「アサヒカルピスビバレッジ株式会社」を設立(出資比率はアサヒ80%・カルピス20%)。
* {{和暦|[[2008}}年]](平成20年)[[1月4日]] - 自動販売機事業子会社6社をアサヒカルピスビバレッジに譲渡。
* {{和暦|[[2009}}年]](平成21年)[[10月1日]] - 物流子会社(カルピス物流サービス)を関東エース物流(岡山は関西エース物流)に譲渡。
 
=== 事業所 ===
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* 支店:札幌、仙台、東京、関東、名古屋、大阪、中四国、福岡
* 営業所:北東北、新潟、長野、静岡、金沢、高松、岡山、鹿児島
* 工場:相模({{和暦|[[2008}}年]](平成20年)閉鎖 群馬工場へ統合 工場記号はSC)、岡山(工場記号BC)、群馬(工場記号KC) 国内工場の屋根は暗色系のオレンジ色に統一されている。
: 相模工場内に研究所がある。ただし、相模工場閉鎖後も研究所等、一部機能は存続。
*物流センター {{和暦|[[2009}}年]](平成21年)[[10月1日]]に物流子会社のカルピス物流サービスを関東(関西)エース物流に譲渡し、相模・群馬・岡山の各物流センターは[[味の素物流]]が引き継いでいる。
:札幌BC・仙台BC・群馬BC・館林BC・相模原BC・鈴鹿BC・西日本BC・岡山BC・岡山第2BC・福岡BC
 
=== 由来 ===
{{和暦|[[1902}}年]](明治35年)、当時25歳の三島は内モンゴル(現在の[[中華人民共和国]]・[[内モンゴル自治区]])を訪れ、そこで口にした[[ジョッヘ]]という飲み物を参考にして{{和暦|[[1919}}年]](大正8年)にカルピスを開発・発売し、この飲料と同名の企業の創業者となったと伝えられている。脱脂乳を乳酸菌で発酵(酸乳)しこれに加糖、さらに[[酵母]]([[馬乳酒]]中の酵母と近似<ref>{{Cite web
|date=1998年(平成10年)
|url=http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/JASI/pdf/society/57-2731.pdf
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社名は、「[[カルシウム]]」と[[サンスクリット]]の「サルピス」(सर्पिस्, sarpis, 漢訳:熟酥(じゅくそ))を合わせたものである。サンスクリット「サルピル・マンダ」(sarpir-maṇḍa, 漢訳:[[醍醐]])を使用し、「サルピス」・「カルピル」とする案もあった。同社では重要なことを決める際には、その道の第一人者を訪ねる「日本一主義」があり、音楽の第一人者の山田に社名について相談したところ、「カルピス」が最も響きが良いということで現行社名・商品名になったという。
 
元々は、[[パナマ帽]]を被った黒人男性がストローでグラス入りのカルピスを飲んでいる図案化イラストが商標だった。これは[[第一次世界大戦]]終戦後の[[ドイツ]]で苦しむ画家を救うために社長(当時)の三島が開催した「国際懸賞ポスター展」で、3位を受賞した[[ドイツ人]][[デザイナー]]の[[オットー・デュンケルスビューラー]]による作品を使用したものだが、「黒人マーク」と呼ばれるようになり、{{和暦|1989h}}[[1989年]](平成元年)に一部から“差別思想につながる”との指摘を受けて現行マークに変更された。<!-- もちろん差別を意図したマークではない。 -->また、カルピスは「黒人マーク」を白黒反転させたマークも商標登録している。
 
== 飲料 ==
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[[乳酸菌飲料]]のカルピスは、原液は非常に高濃度でそのままでの飲用は推奨されていない。水、湯または牛乳で2.5から5倍程度に希釈して飲用とする。[[かき氷]]のシロップとして、またカルピスハイなどの材料にも使われる。原液はその濃さから常温保存しても腐敗しにくい性質があり、戦前から一般家庭の常備品や軍隊の補給品として、戦後は贈答用としても広く使われている。
 
飲料のカルピスは{{和暦|[[1919}}年]](大正8年)[[7月7日]]に販売が開始された。カルピスのパッケージの水玉模様は、発売日の[[七夕]]にちなんで[[天の川]]({{Lang-en|Milky Way}}(ミルキーウェイ))をイメージしたもの。最初は青色地に白い無地玉であったが{{和暦|[[1953}}年]](昭和28年)に色を逆にし、白地に青い水玉とした。
 
{{和暦|[[1927}}年]](昭和2年)には[[森永乳業]]より同様の乳酸菌飲料である[[コーラス]]が発売され、[[1980年代]]まで人気を二分した。
 
その後は希釈済みの製品として、{{和暦|[[1973}}年]](昭和48年)に炭酸水で希釈した[[カルピスソーダ]]を発売。炭酸水希釈のソーダ飲料としたのは、当時の技術では普通の水による希釈では長期の品質維持に問題があったため。[[1980年代]]も終盤に差し掛かると生活様式の変化により、飲用時に希釈が必要な従来の原液カルピスは、一般家庭において徐々に疎遠な存在となっていった。こうして{{和暦|[[1991}}年]](平成3年)には希釈の手間を省いた[[カルピスウォーター]]が発売され、大ヒット商品となった。
 
原液のカルピスは瓶詰めの商品であったが、瓶は重いことなどから、{{和暦|[[1995}}年]](平成7年)に登場した紙パック入りが近年の販売の主体となっている。これにより、商品のコンパクト化が実現された。
 
{{和暦|[[2012}}4年]](平成24年)4月9日より、新たに開発した4層構造のプラスチックボトル「ピースボトル」を採用し、全面リニューアルを行った(レギュラー・ダイエット・ぶどうのみ、新規発売のオレンジとマンゴーも同じ「ピースボトル」を採用)。但し、主原料の砂糖・生乳の価格高騰が続いていることから、希望小売価格は据え置きながら、内容量は従来の紙容器から30ml少なくなり、470mlとなった。
 
=== 派生商品 ===
* [[カルピスソーダ]] - {{和暦|[[1973}}年]](昭和48年)発売。乳性[[炭酸飲料]]ブームの先駆け的商品。
* [[カルピスウォーター]] - {{和暦|[[1991}}年]](平成3年)発売。薄めずに飲める手軽さが大ヒットを呼び込んだ。
* [[カルピス酸乳 アミールS]] - カルピスの製造過程で生まれる[[酸乳]]の[[血圧]]抑制効果に着目した健康飲料。[[食品#主要な食品|特定保健用食品]]認可。普及初期のテレビCMに[[長嶋茂雄]]が起用されたことでも有名。
* [[カルピスサワー]]
* [[アミノカルピスシリーズ]]
* [[カルピスバター]] - カルピスの製造工程で、脱脂乳を製造する過程で生まれる乳脂肪分を活用したもの。
* [[ザ・プレミアムカルピス]] - {{和暦|[[2007}}年]](平成19年)発売。カルピス社が創業90周年を記念して3種類の乳酸菌をブレンド。
* [[カルピスダイエット]] - {{和暦|[[2006}}年]](平成18年)発売。通常のカルピスよりカロリー60%カット。
* [[カルピスとマッコリのお酒]] - {{和暦|[[2010}}年]](平成22年)発売。カルピスと[[マッコリ]]をソーダで割ったもの。
 
== その他の商品 ==
* [[健茶王]] - [[血糖値]]の上昇を抑える難消化性[[デキストリン]]を配合した茶系飲料。特定保健用食品認可。
* ウェルチ - [[アメリカ合衆国|米国]]有数の天然果汁ブランド製品。日本ではかつて[[ペプシコーラ|ペプシコ社]]が製造販売権を持っていたが、{{和暦|[[1997}}年]](平成9年)にカルピスへ移管。
* [[ほっとレモン]]
* [[アミノバイタル]] - 元は味の素のアミノ飲料ブランドであるため、ラベルには「AJINOMOTO」のロゴが記されている。アサヒとの自動販売機統合後、旧カルピスの自販機ではアサヒの「H2O」は缶入り、当商品はペットボトル入りと棲み分けられた。
* ダウンタウンソーダカンパニー - 商品よりCM曲がヒット{{要出典|date=2009年7月}}した。
* [[ストロングルト]] - ミルクプロテイン、ミルクカルシウム、ローヤルゼリーを配合した、20 - 30代の男性にフォーカスした元気なカラダ作りを応援する乳性飲料。キャッチコピーは“乳性カラダメイキング”。{{和暦|[[2010}}年]](平成22年)[[3月29日]]発売。
* [[ぐんぐんグルト]] - カルシウムを多く配合した乳性飲料。{{和暦|[[2003}}年]](平成15年)発売。
 
== 過去に存在した商品 ==
* [[カルピコ]] - {{和暦|[[1973}}年]](昭和48年)頃発売されたフルーツ味の炭酸飲料。当初、グレープとプラムの2種類で発売された。[[コカ・コーラ]]社の「[[ファンタ (飲料)|ファンタ]]」の圧倒的シェアを切り崩すには至らず、[[1970年代]]後半には姿を消した。「同じ品名であっても、日本国内と海外で商品の実態が違う」という事例の1つである。<br />(※ カルピコを「カルピス入りコーラ」の品名とする説が一部にあるが、これは誤り。ただし「カルピスソーダ」のラインナップにコーラ味が存在していた時期はある)
* [[Sun New]] - {{和暦|[[1983}}年]](昭和58年)頃発売、現在のアミールシリーズの先駆けか。品名は「酸乳」をそのまま類似発音の英単語に置き換えたもの。
* [[カピーホワイト]] - {{和暦|[[1983}}年]](昭和58年)頃。乳成分から作られた[[アイソトニック飲料]]。カルピス版スポーツドリンクという位置づけ。[[明石家さんま]]が当時のテレビCMに出演し、話題を呼んだ。[[来生たかお]]のCMソング(まどろみミステリー)、[[森本レオ]]のナレーションという組み合わせも秀逸であった。キャッチコピーは「助けてよ、カピー」「アイソトニックが美味しくなりました。常識を裏切ってごめんなさい」という静かながら挑発的なもの。しかし商品自体はかなり短命に終わった。
* [[オリゴCC]] - [[1990年代]]初期にブームとなった[[機能性飲料]]の有力商品の1つ。腸内の[[乳酸菌|ビフィズス菌]]を増やす効果のある[[オリゴ糖]]を配合する。
* 梅烏龍茶 - {{和暦|[[1991}}年]](平成3年)頃発売された。[[烏龍茶]]に梅の風味を加えた烏龍茶飲料。開けると梅の風味が漂って匂いはよいが、飲んだ直後の風味は梅の酸味と烏龍茶の苦味がブレンドされ、美味とはどうにも言いがたい。生産期間も極めて短かった模様。
* [[サポーター (スポーツドリンク)|サポーター]] - 1990年代前半に発売されたスポーツドリンク。発売時は[[サッカー日本代表]]公式スポーツドリンクだった。{{和暦|[[2000}}年]](平成12年)にその座を[[キリンビバレッジ]]の「侍」に譲受し、当社のスポーツドリンクは「アミノバイタル」に移行した
* [[オバルチン]] - オリンピック公認の麦芽飲料として日本ではカルピスが販売していた。
* [[エビアン (ミネラルウォーター)|エビアン]] - {{和暦|[[2008}}年]](平成20年)[[4月13日]]をもってカルピスからの販売は終了。現在は[[伊藤園]]が販売。
* [[冴え緑茶]] - アサヒはすでに「[[十六茶]]」などがあるため販売終了。
* [[味の素ゼネラルフーヅ|AGF(味の素ゼネラルフーヅ)]][[ブランド]]の[[缶コーヒー]]飲料(ブレンディー・カフェ・ラ・モード) - {{和暦|[[2008}}年]](平成20年)にアサヒ飲料と自動販売機事業を統合するため販売を終了した(アサヒには既に「[[WONDA]]」があるため)。
* [[紅茶伝説]] - {{和暦|[[1991}}年]](平成3年)に味の素から譲受した商品の中で唯一最後まで発売されていたが、こちらもアサヒに「旬摘み紅茶」が存在するため販売を終えた。
 
== その他 ==
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* [[斉藤由貴]]『予感』
* [[斉藤由貴]]『ONE』
* [[岡村孝子]]『[[明日の幸せ]]』({{和暦|[[1997}})年]](平成9年))
* 藤井ミチヨ『Wonderful Day』
* [[スピッツ (バンド)|スピッツ]]『[[ハネモノ (曲)|ハネモノ]]』