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{{出典の明記|date=2011年6月}}
{{原子核物理学}}
[[File:Nuclear_fission.svg|thumb|right|250px|'''核分裂反応''' [[中性子]]を吸収したウラン235が、クリプトン92とバリウム141に分裂した例。この分裂の際、平均2 - 3個の[[高速中性子]]が放出される。この中性子が別のウラン235に再び吸収され、新たな核分裂反応を引き起こすことを'''[[連鎖反応 (核分裂)|核分裂連鎖反応]]'''という。核分裂連鎖反応は[[指数関数的成長|指数関数的]]に反応する<ref>川添健 『微分積分学講義I』、数学書房、2009年、218頁。</ref>。<br>この連鎖反応をゆっくりと進行させ、持続的にエネルギーを取り出すことに成功したのが[[原子炉]]である。一方、この連鎖反応を高速で進行させ、膨大なエネルギーを一瞬のうちに取り出すのが[[原子爆弾]]である。]]
'''核分裂反応'''(かくぶんれつはんのう、[[英語]]:nuclear fission)とは、[[不安定核]](重い[[原子核]]や[[陽子過剰核]]、[[中性子過剰核]]など)が分裂してより軽い[[元素]]を二つ以上作る反応のことを指す。発見者は[[オットー・ハーン]]。
 
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核分裂生成物がどの核種になるかはある確率で決まる。この確率を'''収率'''という。核分裂する核種によって異なる収率分布をもっているので、核分裂生成物を分析すれば核反応を起こした親核種が判る。
 
例えばウラン235が核分裂を起こした場合その核分裂生成物は80種類程度生じ、質量数は72から160と広範囲に分布している。これらは質量数90と140付近の[[最頻値|ピーク]]を中心として鞍型の分布をなしている。<ref>三宅泰雄 『死の灰と闘う科学者』、岩波書店〈岩波新書B107〉、1972年、用語解説の3頁。</ref>。
 
核分裂生成物は様々な核種の混合物であるが、総じて陽子数と中性子数との均衡を欠いており[[放射能]]を持つ。これらの[[放射性同位体]]は、陽子と中性子の均衡が保てるところまで[[放射性崩壊|放射壊変]](主に[[ベータ崩壊]])を繰り返す。
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一方、長寿命核種は放射能は小さいが、原子炉の使用済み核燃料のように大量に存在すると、人間社会の尺度では半永久的に放射線を放ち続けるやっかいな廃棄物となり、半減期の数倍から数十倍(つまり100万年単位)の期間、厳重に遮蔽して保管し続けなければならない。
 
このように多数の核種から構成されている核分裂生成物であるが、核分裂が起こってからt分経過した後の全ての核分裂生成物の合計の放射能の強さ(単位:ベクレル)の減衰は一定であり、
 
<math>A(t)=A_{0}t^{-\alpha}</math>
 
で与えられる。ここでA<sub>0</sub>はt=0つまり核分裂が起こった時点の放射能の強さ、αは定数であり1.2である。これをハンター・バロウの法則(Hunter Ballou's law)という<ref>三宅泰雄 『死の灰と闘う科学者』、岩波書店〈岩波新書B107〉、1972年、用語解説の4頁。</ref>。
 
{| class="wikitable"
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|ヨウ素129||0.66%||15.7My||
|}
== 参考文献 ==
<references />
 
== 関連項目 ==