「呼吸器」の版間の差分

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== ヒトの呼吸器 ==
[[ヒト]]の呼吸器は、[[鼻腔]]や[[喉頭]]などの部分を上気道、[[気管]]から下の部分を下気道を分けて言う。上気道は[[感染症]]を引き起こしやすい場所でもある<ref name=Kaibou2v62>[[#解剖学第2版|解剖学第2版、p62p.62-64第3章 呼吸器系 1.鼻腔・副鼻腔]]</ref>。
 
=== 鼻腔 ===
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鼻腔と繋がった頭蓋骨の空隙は複数あり、これらは副鼻腔と言う。この部分も粘膜に覆われているが繋がる経路が狭く、[[炎症]]などを起こすと[[膿]]の排出が不充分になる事があり、[[蓄膿症]]の原因となる<ref name=Kaibou2v62 />。
 
=== 咽頭・喉頭 ===
鼻腔の奥で繋がる咽頭は、[[口腔]]から食物を[[食道]]に運ぶ[[消化器]]の役割を兼ねる。この[[摂食]]と[[呼吸]]の両運動はそれぞれの器官が秩序的に働き混乱が起こらないようになっている<ref name=Kaibou2v64>[[#解剖学第2版|解剖学第2版、p.64-65、第3章 呼吸器系 2.咽頭・喉頭]]</ref>。これは嚥下反射と呼ばれる<ref name=Kaibou2v76>[[#解剖学第2版|解剖学第2版、p76-77、第4章 消化器 3.咽頭]]</ref>。咽頭に続き、[[喉頭蓋]]から始まる漏斗状管が[[喉頭]]である。喉頭は[[軟骨]]構造で囲まれ、[[靭帯]]や小さな[[筋肉]]で繋がっている。嚥下時にこれら軟骨組織が上方に動き、喉頭蓋が閉まって食物が呼吸器官に入り込まないようになっている<ref name=Kaibou2v64 />。
 
喉頭内軟骨の[[被裂軟骨]]と[[甲状軟骨]]に挟まれた場所に[[声帯]]がある。これは[[声帯靭帯]]と[[声帯筋]]が粘膜に包まれ、喉頭側壁に作る一対のひだである。声帯はV字型であり、間に[[声帯裂]]という空隙を持つ。被裂軟骨には複雑な筋があり、この収縮で軟骨を傾けて声帯を押し、声帯裂の開き具合を微妙に調整しながら[[声]]を出す<ref name=Kaibou2v64 />。
 
=== 気管・気管支 ===
喉頭の下部を覆う[[輪状軟骨]]から下に、第6頚骨の位置で接続し垂直に下がる管が[[気管]]である。長さ11~13cm、直径約2cmで、管路は馬蹄形の[[気管軟骨]]が約20個連続し、軟骨がない後面には平滑筋と粘膜による膜性壁からつくられる<ref name=Kaibou2v65>[[#解剖学第2版|解剖学第2版、p.65-66、第3章 呼吸器系 3.気管と気管支]]</ref>。
 
胸腔の第5胸椎部分、[[心臓]]背面付近で気管は二股に別れ左右2本の[[気管支]]となる。この2本は形状がやや異なり、右気管支は太く短い上、傾斜角が小さい。それに対し左気管支は長く細い形状で、傾斜角が大きい。この差があるため、誤って気管に入り込んだ異物は右気管支側に行きやすい<ref name=Kaibou2v65 />。肺の中に入った気管支は20~23回もの枝分かれを行い、[[気管支樹]]という小さな管になる<ref name=Kaibou2v65 />。
 
=== 肺 ===