「チェーザレ・ロンブローゾ」の版間の差分

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顔面の非対称な犯罪者と[[ヒラメ]]との類似性を指摘したりするロンブローゾの理論には、発表当初から批判の声が多かった。
 
[[1885年]]、ロンブローゾは[[エンリコ・フェリ]](Enrico Ferri)、[[ラファエレ・ガロファロ]](Raffaele Garofalo)らと共に「国際犯罪人類学会」を創設。彼らを中心として、刑法学における「イタリア学派」が誕生した。これに対し、 [[ガブリエル・タルド]](Gabriel Tarde)や[[アレクサンドル・ラカサーニュ]](Alexandre Lacassagne)などの、犯罪の原因を生育環境に求める「フランス環境学派」は、イタリア学派を激しく攻撃。同学会は大論争の舞台と化した。しかし [[1913年]]、チャールズ・ゴーリング(Charles Goring)が『イギリスの受刑者―統計的研究(''The English Convict, A Statistical Study'')』において、「精密な測定を行った結果、犯罪者とそうでない者との間には有意な差は認められなかった」と発表するなど批判的意見が続出し、生来的犯罪人説は次第に退潮。現在では、この理論は極めて僅かな信奉者を除いては[[疑似科学|擬似科学]]として退けられている。しかし、主に[[哲学]]的な見地から考察されてきた従来の刑法学に[[実証主義]]的な手法を導入する大変革をもたらしたという意味においては、ロンブローゾの業績は高く評価されている。もっとも、[[ランベール・ケトレー]](Lambert Adolphe Jacques Quételet)の犯罪統計学などの先例が既にあった。
 
== 影響 ==