「国際組織法」の版間の差分

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== 内部法と外部法 ==
'''内部法'''として、まず、'''表決制度'''がある。決議成立の方式としては、一般に、全会一致、多数決、コンセンサスなどがある。[[国際連合総会]]の決議は、重要問題を除いて(出席し投票する加盟国の三分の二の多数)、出席し投票する加盟国の過半数で成立する([[国際連合憲章]]18条)。[[国際連合安全保障理事会]]の決議は、「常任理事国の同意投票を含む九理事国の賛成投票」で成立する(27条)。慣例により、常任理事国の「棄権」は決議の成立を妨げないとされている。しかし、27条を文言通りに解釈すれば、棄権は「同意」ではないので、決議の成立を妨げるはずである。よって、これについては、法的には、棄権についての規定が欠缺していたとか、暗黙のうちに憲章が改正されたとか説明する他はない<ref>Tavernier,P., «Article 27», J.-P.Cot et A.Pellet(dir.), ''La Charte des Nations Unies. Commentaire article par article'', 2e éd., Paris, Economica, 1991, p.502.</ref>。[[欧州連合|EU]]では「共同体法」([[EU法]])に属する分野について、[[加重投票]]の制度が行われておりいる。また、[[世界銀行]]でも加重投票で議決される。
 
'''予算'''の決定については、国連総会によって派遣されたONUC(コンゴ国連軍)及びUNEF(国連緊急中東軍)(いわゆる[[PKO]])への支出が国連憲章17条2項にいう「この機構の経費」に当たるのか争われた。国連憲章上、PKOは明示的には認められていない。これに関して、1962年「国際連合のある種の経費(憲章17条2項)」として国際司法裁判所の勧告的意見が下された。裁判所は、17条2項の文言を憲章の全体構造と総会と安保理に与えられたそれぞれの機能に照らして解釈するとし、ONUCとUNEFの活動が国連の主要目的である国際の平和と安全の維持に合致することは、継続的に国連の諸機関によって認められてきたことによって示されているとし、当該支出は「この機構の経費」にあたると判示した(''I.C.J.Reports 1962'', pp.167-181)。この勧告的意見の理由付けに対しては、批判もある。