「在米朝鮮語」の版間の差分

{{改名言語|name=在米朝鮮語|date=2012-10}}

  '''在米韓国朝鮮語'''

'''在米韓国朝鮮語'''（ざいべいかんこくご）とは、アメリカに在住する[[朝鮮民族|朝鮮人]]が[[民族学校]]や家庭等で身につける[[朝鮮語]]の変種である。在米朝鮮韓国人は殆ど[[大韓民国|韓国]]系（在米韓国人、[[コリアンアメリカン|韓国系アメリカ人]]）であり、在米朝鮮語の規範は[[ソウル方言|大韓民国における標準語]]であるため、ここではアメリカで使用される言語名については「在米韓国語」とする。

[[1960年代]]から[[アメリカ合衆国|アメリカ]]に移民した[[韓国人]]は総勢200万人にも及び、彼等とその子孫達によって[[北米]]に韓国朝鮮語圏が構築された。

前述の通り在米朝鮮韓国人の為の民族学校などでは[[大韓民国]]の[[標準語]]とされている[[ソウル特別市|ソウル]]方言を規範とした標準韓国朝鮮語を教えている。又多くの家庭では家庭内で韓国朝鮮語のみを使用させるため在米朝鮮韓国人は[[在日韓国・朝鮮人]]、韓国系日本人、[[高麗人]]に比して韓国朝鮮語の保持率は高い。しかし[[朝鮮族]]と違い、根拠地となる特定の地域を持っていないため、必然的に彼等の子弟は[[英語]]との[[バイリンガル|二言語併用生活]]を送ることとなり、その結果英語からの[[借用語]]が多く、アメリカ英語の影響を受けた[[発音]]の在米韓国朝鮮語が形成されることとなった。

在米韓国朝鮮語はあくまで[[口語]]であり[[書記言語]]ではないので、文章にする際は標準的な韓国朝鮮語で書かれる。よってこの言語の[[ハングル]]での[[正書法]]は存在しない。但し在米朝鮮人の二世以降の世代が御互い私信などをやり取りする際はハングルもしくは[[ラテンアルファベット]]を用いてこれを文字化することもあるのだが、[[在日朝鮮語]]や[[コリョマル]]に比して成立してからの時間経過も浅いためそのような例もあまり多いとはいえない。

在米韓国朝鮮語は[[中国朝鮮語]]ほどではないにしろ本国人との意思疎通が容易なもう一つの[[朝鮮語#他言語との接触によって生じた朝鮮語の変種|海外朝鮮語]]である。朝鮮族の言語が本国人とほぼ変わらないのに対して、在米朝鮮語ではややその差が大きいとされている。[[在日朝鮮語]]や[[コリョマル]]はそれぞれ[[日本語]]、[[ロシア語]]からの影響が極めて大きく、本来の朝鮮語から著しくかけ離れた言語と化してしまっているが、在米韓国朝鮮語は今の所そのような現象は起こっていない。