「Ω-6脂肪酸」の版間の差分
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[[Image:Eicosanoid synthesis.svg|400px|thumb|アラキドン酸を出発点とする物質の合成経路([[アラキドン酸カスケード]])]]
[[File:EFA to Eicosanoids.svg|400px|thumb|[[必須脂肪酸]]の代謝経路と[[エイコサノイド]]の形成]]
[[File:Essential fatty acid in oil.JPG|400px|thumb|[[食用油]]の[[必須脂肪酸]]<ref name=ndb>[http://ndb.nal.usda.gov/ USDA National Nutrient Database]</ref>]]
[[File:Ratio of essential fatty acid.JPG|400px|thumb|[[動物性脂肪]]等における[[必須脂肪酸]]の割合(飼料等に影響を受けている)<ref name=ndb/>]]
'''ω-6脂肪酸'''(おめが-ろく しぼうさん、ω−6 fatty acids、ω6とも表記、オメガ-スィックス、Omega-6)または、'''''n''−6脂肪酸'''(''n''−6 fatty acids)は、[[不飽和脂肪酸]]の分類の一つで、一般に[[炭素]]-炭素[[二重結合]]がω-6位(脂肪酸のメチル末端から6番目の結合の意味)にあるものを指す。
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炎症性のある[[ロイコトリエン]]や[[プロスタグランジン]]のような[[アラキドン酸カスケード]]の原料であるω-6脂肪酸(リノール酸)の摂り過ぎと代謝酵素が共通してるために拮抗関係にある[[ω-3脂肪酸]]([[α-リノレン酸]])との摂取バランスがこわれて過敏性が増加し[[アレルギー]]が惹起されやすくなっているとの報告もある<ref>馬場實、中川武正:食物アレルギーの手引き、南江堂、1、54-55、1994</ref>。
[[うつ病]]が20世紀になって増加しているがω-6脂肪酸を多く含む[[植物油]]の摂取が増加したことと軌を一にする。うつ病患者においてはω-6脂肪酸から[[アラキドン酸]]を経て生成される炎症性の生理活性物質である[[エイコサノイド]]のレベルが高いということが示されている<ref>
==摂取基準==
国際的に脂質を評価しているISSFAL(International Society for the Study of Fatty Acids and Lipids)<ref>[http://www.issfal.org.uk/ ISSFAL] '''(英語)''' (ISSFAL: International Society for the Study of Fatty Acids and Lipids) </ref>は、2004年には、必須脂肪酸としての1日あたりのリノール酸の適正な摂取量は全カロリーの2%(4-5g)としている<ref>Cunnane S, Drevon CA, Harris W, et al. "Recommendations for intakes of polyunsaturated fatty acids in healthy adults" ISSFAL Newsletter 11(2), 2004, pp12-25</ref>。[[日本人の食事摂取基準]](2010年版)では、ω-6脂肪酸について1日9g前後の摂取が適正で、摂取上限は総摂取エネルギーの10%(22-30g)としている<ref>「[http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4g.pdf 脂質]」『[http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/s0529-4.html 日本人の食事摂取基準」(2010年版)]』pp77-108</ref>。他方で、日本人のリノール酸摂取量は平均して13-15g/日で過剰にω-6脂肪酸を摂取しており、上記のような過剰な生理活性物質の産生を防ぐために、代表的なω-6脂肪酸であるリノール酸摂取量を7-8g/日に制限すべきとの意見もある<ref name=kinjo/>。
ω-3脂肪酸とω-6脂肪酸の望ましい摂取比率は1:1から1:4であると言われている<ref>Tribole, Evelyn. [http://worldcat.org/oclc/77520775&referer=brief_results"The Ultimate Omega-3 Diet]" New York. McGraw-Hill. 2007 ISBN 13:978-0-07-146986-9
</ref><ref>Lands, William E.M. "Fish, Omega-3 and Human Health" Champaign. AOCS Press. 2005 ISBN 1-893997-81-2</ref>。典型的な西洋での食事ではω-3脂肪酸とω-6脂肪酸の比率は 1:10から1:30の間で、ω-6脂肪酸の摂取が極めて高い実態にある<ref>{{cite journal |author=Freeman MP, Hibbeln JR, Wisner KL, ''et al.''
ω-6脂肪酸は、[[ベニバナ油]]、[[グレープシードオイル]]、[[ヒマワリ油]]、[[コーン油]]、[[ダイズ油]]、[[ゴマ油]]などの食品に多く含まれている<ref name=kinjo>[http://www.kinjo-u.ac.jp/orc/document/topic1.pdf I章 最新の脂質栄養を理解するための基礎 ― ω(オメガ)バランスとは?] 『 [http://www.kinjo-u.ac.jp/orc/research/topic.html 脂質栄養学の新方向とトピックス]』</ref>。
===植物油の脂肪酸構成===
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