「弾道ミサイル早期警戒システム」の版間の差分

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File:PAVE PAWS&BMEWS.svg
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== 概要 ==
[[1959年]]からシステムは構築が開始された。北極越えで来るソ連からの[[大陸間弾道ミサイル]]攻撃に対処するために、[[北極圏]]に近い3箇所にレーダーサイトが構築された。[[レーダーサイト]]は以下の通り。
[[File:PAVE PAWS&BMEWS.pngsvg|thumb|350px|弾道ミサイル早期警戒システムを構成する各基地とそのレーダーの被覆域]]
* サイトI:[[チューレ空軍基地]]-[[グリーンランド]]・[[アメリカ空軍]]が1960年より運用開始
* サイトII:[[クリアー空軍基地]]-[[アラスカ州]]・アメリカ空軍が1961年より運用、2001年よりPAVE PAWSに移行
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システムの開発は、1958年までに[[トリニダード島]]において行われていた。これは[[フロリダ半島]]より試験発射される弾道ミサイルを利用してレーダーの試験を行った。
 
[[ImageFile:Thule BMEWS.jpg|thumb|250px|チューレ空軍基地の4基のAN/FPS-50レーダー]]
最初のシステムには、[[AN/FPS-50]]および[[AN/FPS-49]]が用いられた。AN/FPS-50は、高さ50m、幅122mの網状の固定レーダーであり、[[マイクロ波|Lバンド]]の帯域を用い、通常5,500kmの探知範囲を持つ。強力な出力を持つ大型レーダーではあるが、精度が高くないため、主に方向のみの探知に用いられた。AN/FPS-50は1基で40度の範囲をカバーしている。AN/FPS-49はミサイル追跡用のレーダーであり、直径26mの大きさを持ち、1秒間に32度で回転することができた。レーダードームの高さは約43mにも達した。信号処理には[[IBM 7090|IBM 7094]][[メインフレーム]]が使用された。なお、BMEWSが完全に稼動したのは1960年代初期のことである。
 
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1960年には、システムが誤警報を発する事件がおきている。これは、レーダー出力が強力であったために、水平線上の現れた[[月]]にレーダー波が反射し、それを感知・警報を発したというものである。この事件の後、[[Earth-Moon-Earth|月からの反射]]は無視するように設定が変更されている。
[[ImageFile:BMEWS Tac Ops Room.jpg|thumb|250px|BMEWSのオペレーター]]
 
なお、チューレ空軍基地のレーダーは、1987年に[[AN/FPS-120]][[フェーズドアレイレーダー]](2面240度)に更新され、フィリングデールも1992年に同等の[[AN/FPS-126]]フェーズドアレイレーダー(3面360度)に更新された。クリアー空軍基地は2001年にAN/FPS-115 フェーズドアレイレーダーに更新され、BMEWSから外れPAVE PAWSに組み入れられた。