「高尿酸血症」の版間の差分

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Wikipedia:コメント依頼/Qnc 名無しリンクを避ける Wikipedia:出典を明記する 霊長類の進化の記事ではない 43495063 40925504 38174002
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[[生活習慣病]]として誰にでも起こりうる。体が合成する尿酸は食物由来の尿酸より数倍多いとされ、肥満が決定的な危険因子となる。プリン体の多い[[ビール]]、[[レバー (肝臓)|レバー]]、[[白子 (精巣)|白子]]などは長期にわたって大量に摂取すれば危険因子である。
 
[[グルコース]]が[[リン酸化]]されて[[グルコース-6-リン酸]]となって細胞内に一時的に留まりゆっくりと[[解糖]]されるのに対して、[[アルコール (食品)|アルコール]]や[[果糖]]の代謝にあたっては急速に解糖が進み[[乳酸]]の生成が急速に進み[[アシドーシス]]が進む場合があり<ref>高橋隆一[http://www.umin.ac.jp/fukusayou/adr123e.htm 高カロリー輸液施行中に認められるアシドーシス]</ref>、尿酸の排泄や析出に影響を与え、[[痛風]]を起こすきっかけとなることがある。果糖は果物を常識的な量で摂っている分には問題ないが、工業的に作られた果糖を清涼飲料水から大量に飲むと問題が発生する懸念が否定できない。
 
特殊例には、先天性の原因としては、[[HGPRT欠損症]]([[レッシュ・ナイハン症候群]])やAPRT([[アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ]])欠損症が知られている。APRT欠損症は、後天性の原因としては、薬物([[利尿薬]]、[[アスピリン]])、[[悪性腫瘍]]などがある
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詳細に検討すると、高尿酸血症をおこす患者は、尿酸の排泄が低下している患者と産生が亢進している患者にわけられる。日本では尿酸排泄低下型が60%、産生亢進型が20%、混合型が20%をしめる。
 
実のところ、ヒトを含めた[[ヒト上科]]は尿酸を[[アラントイン]]に分解する[[酵素]]である[[尿酸オキシダーゼ]](ウリカーゼ)が失活している<ref name=jd>[http://jdream2.jst.go.jp/jdream/action/JD71001Disp?APP{{cite journal |author=jdream&actionFriedman TB, Polanco GE, Appold JC, Mayle JE |title=reflink&origin=JGLOBAL&versionoOn the loss of uricolytic activity during primate evolution--I. Silencing of urate oxidase in a hominoid ancestor |journal=1Comp.0&lang-japanese&db Biochem. Physiol., B |volume=JSTPlus&doc81 |issue=85A0339167&fulllink3 |pages=no&md5653?9 |year=b554a2372327abd9931539aa8c9bbb47 霊長類の進化による尿酸分解活性の消失1985 I ヒト上科祖先での尿酸オキシダーゼの消滅]|pmid=3928241}}</ref>ことから高尿酸血症をひきおこす(下流をせき止められた川の状態である)。霊長類ヒト上科を除く多くの[[ほ乳類]]はウリカーゼを有しており、[[尿酸]]を[[5-ヒドロキシイソ尿酸]]に酸化し、さらにアラントインに酸化・代謝することができるため先天性の原因がないかぎり高尿酸血症がおこることはない。ウリカーゼは、さらに下等な動物にもみられる
([[尿酸オキシダーゼ]]による代謝反応)
尿酸+O2+H2O→[[5-ヒドロキシイソ尿酸]]+H2O2→[[アラントイン]]+CO2
なぜヒトを含む霊長類ヒト上科がウリカーゼを失ってしまったかは明らかではないが、進化の途中において突然変異によりウリカーゼを失ってしまった霊長類ヒト上科がその環境に適していた可能性はある。あるいは、ある時代の霊長類は肉・魚を主なエネルギー摂取源としなかったため体内へのプリン体の蓄積がなく、ウリカーゼがないことが生存について問題がなかったというのもありうる仮説である。
 
尿酸は強力な[[抗酸化物質]]でありヒト上科の共通の祖先が旧世界のサルから分枝した際に、尿酸オキシダーゼタンパク質発現の欠損は[[ヒト上科]]の霊長類にとって有利であっ活性が消失しとの考え方のと推定される<ref name="pmid6947260">{{cite journal | author = Ames BN, Cathcart R, Schwiers E, Hochstein P | title = Uric acid provides an antioxidant defense in humans against oxidant- and radical-caused aging and cancer: a hypothesis | journal = Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. | volume = 78 | issue = 11 | pages = 6858–62 | year = 1981 | month = November | pmid = 6947260 | pmc = 349151 | doi = | url = | issn = }}</ref>。なお、[[霊長類]]の進化は約6500万年前、[[白亜紀]]末期頃に始まったと考えられている<ref>http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/shinka/keitou/jyu/jyu.html</ref>。[[霊長類]]の[[狭鼻下目]]であるヒト上科が[[オナガザル上科]]から分岐したのは、2800万年から2400万年前頃であると推定されている<ref>[http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2741112/5970393 サルとヒトとの進化の分岐、定説より最近か ミシガン大]</ref><ref>[[Nature]]2010年7月15日号</ref>。ヒト上科の共通の祖先が旧世界のサルから分枝した際に、尿酸オキシダーゼ活性が消失したものと推定される<ref name=jd/>。
 
== 原因 ==