「ソルブ語」の版間の差分

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'''ソルブ語'''(ソルブご、Sorb)は、[[ドイツ]]の[[少数民族]][[ソルブ人]]によって話される[[言語]]。ルサチア([[ラウジッツ]]、Lausitz)語(地名から)、'''ヴェンド語'''(廃れたドイツ名: Wendisch)などとも呼ばれる。[[レヒト諸語]]と最も近い関係にあり、互いによく通じる。
 
[[ザクセン州]]のブディシン(独語・[[バウツェン]])周辺を中心とする、ウジツァ(ドイツ名: Lausitz, ソルブ語名: ワゥジツァ Łužica,Łužyca)と呼ばれるこの地域で[[公用語]]として使われ、ソルブ語による教育や文化が保護されている。[[高地ソルブ語]](hornjoserbsce)、[[低地ソルブ語]](dolnoserbski)の2[[方言]]に分かれ、一般的に[[エルベ川]]の川上周辺のものを高地ソルブ語、川下周辺のものを低地ソルブ語としている。[[正書法]]も高低で若干異なる。ソルブ語は[[スラヴ語派]][[西スラヴ語群]]に属する。現代[[インド・ヨーロッパ語族|インド・ヨーロッパ語]]の[[スラヴ語派]]の中で[[スロヴェニア語]]とともに「[[双数]]」を保持しており、この点では古代スラブ語に近く珍しい言語である。
 
作家の[[多和田葉子]]は『エクソフォニー』(岩波書店)のなかで、「ドイツ東部のバオツェン付近で話されるソルブ語などはそのよい例だろう。現在ではソルブ語しか知らないというのでは暮らしていかれないので、みんなドイツ語もできるが、ソルブ語の話せる人は恐らく全部で三千人くらいだろう、と聞いた。それでも私はこれまで3人もソルブ語で詩を書いているという詩人に会っている。人口比から確率を割り出すと、アメリカではすでに二十八万人の詩人と逢っていてもおかしくないことになる」(p.88)と書いている。