「ロングラン公演」の版間の差分

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== 概要 ==
[[日本]]において、劇場は劇団との公演契約を交わす場合に、集客規模や予算を勘案した上で数週間、一ヵ月、長くても二ヵ月程度という期間で上演を区切っている。劇団の側も公演する演目を増やしたり削ったりしながら長いタームで見た場合は複数あるレパートリーを順番に繰り返し上演することで固定客を掴み運営の安定化を図っている。このような限定公演 (limited engagement) 方式は外国においてもおおむね変わらないが、[[ブロードウェイ (ニューヨーク)]] と[[ウエスト・エンド (ロンドン)]] は例外で、この両都市ではほとんどの舞台公演が原則的にロングラン公演方式をとっている。
 
商業舞台演劇の長い伝統があるニューヨークやロンドンでは、[[演劇]]や[[ミュージカル]]が都市の基幹産業の一つとなっている。そのため個々の作品には才能ある人材と莫大な費用が注ぎ込まれ、年単位の長い時間をかけてひとつの新作が構築されていく。またひとたびヒット作を世に送り出すことができれば、その作品からは長期にわたって安定した収益が見込まれることから、投資の対象としても演劇やミュージカルは魅力的なものとなっている。しかしショービジネスはその性質上、関係者の誰にとっても賭け事の要素を含むものであることは否めない。したがってそこに介在するさまざまリスクを極力軽減するために、製作スタッフや投資家から俳優や小道具係に至るまで、誰もができる限りの努力を払ってより良い作品を作り上げようとする。この循環が恒久的なロングラン公演を可能にしているのである。[[英語]]が国際用語であるのでネイティブでない外国人も英語を理解できる事も、ロングランを可能としている。('''[[レ・ミゼラブル (ミュージカル)|ミュージカル版レ・ミゼラブル]]''' がフランス語で創作されたのに、英語化されてミュージカルとして成功したのも英語の集客力にある。)
 
 
 
なお日本では、一連の[[劇団四季]]による輸入ミュージカルや[[森光子]]の『放浪記』などに見られるような、「長期間にわたる断続的な公演」をロングランと言うこともあるが、ロングランの本来の定義はあくまでも「長期間にわたる'''連続上演'''」である。ブロードウェイにおける『The Phantom of the Opera ([[オペラ座の怪人]])』を例にとると、この作品は[[1988年]][[1月26日]]の初演以来、毎週月曜の定休日と、伝統的な休養日である[[感謝祭]] (11月第4木曜日) の翌日、および[[クリスマス]]の日 (12月25日) の他は休むことなく、火・水・木・金・土曜の晩と水・土・日曜の昼の週八回の公演を20年間にわたって続けている。
 
== ブロードウェイのロングラン記録 ==