「社会階級」の版間の差分

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世代について言えば、日本が不景気になったバブル崩壊後の1990年代初期以降に就職した世代と、それ以前に就職した世代では、経済的な資源へのアクセスで格差がみられる。これについては、日本の不景気がこれ以後も長引き、就職者ほぼ全員が不景気の中就職した世代になることによる、悲観的解消の可能性がある。
 
障害の有無について言えば、経済的、社会的階層にかなり直結しやすい。障害が重くなればなるほど、事実上、下に述べるワーキングプア階級以上に登ることは非常に困難である。重度の知的障害者は、複雑化し、単純な労働にも高度な教育水準が年々求められる現代社会において、労働者として必要な能力を身に着けられず、社会の支援やサポートがないまま、差別され、ワーキングプアや、無職、さらには野外生活者になってしまうことが少なくない。障害者の多くが、社会保障を得てもなお、貧困ラインを下回る収入しか得ていない。後天障害者は、障害者になる以前の社会階級によっては、経済的地位や尊厳をある程度は保てる場合もあるが、障害の度合いによっては、障害者になって以降の収入確保は厳しくなる。軽度の知能・精神障害、肉体障害者でも知能と精神がいわゆる「健常者」の枠にはまっている場合、あるいは発達障害者でも、知能が「健常者」の枠に収まっている場合、本人の努力と運、職種、周りの適切なサポートと理解次第では、中上位の社会階級に食い込むことは可能であるが、同等の肉体・知能やコミュニケーションスキルを持ち、障害のハンデを持たない「健常者」に比べると困難を強いられる。また、重度の精神障害や知能障害、発達障害を持っている人間の場合、周囲や国家のサポートと理解、経済的援助がない場合、健常者・支配者が定めた社会的規範を逸脱してしまい、本人たちが理解できないままに、犯罪者となって人を傷つけてしまい、受刑者となって、不可触民扱いの差別が倍加し、経済的負荷もさらに重くなる場合がある。
 
出自に関して言えば、母子家庭や父子家庭、非婚姻家庭、児童養護施設の育ちの人間は、収入面で扶養者が低い社会階層に押しやられがちであり、教育格差などを通じて多くの場合本人たちも低い社会階級にとどまることを強いられてしまう現実がある。また、周りからの差別があり、とりわけ両親そろった婚姻家族における生育を理想とするイデオロギーの持ち主からは、身分が卑しいと見て取られ、婚姻などで差別を受けることがある。非婚姻家庭出身者は、「私生児」、児童養護施設の出身者は「孤児」などと、(しばしば実態とはかけ離れて)侮蔑、差別を受ける。