「引用」の版間の差分

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===法の条文===
;32条(引用)  
:#公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。  
:#国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
:
 
;[[s:著作権法#a43|43条]](翻訳、翻案等による利用)  
:#次の各号に掲げる規定により著作物を利用することができる場合には、当該各号に掲げる方法により、当該著作物を当該各号に掲げる規定に従つて利用することができる。
:#*一  〔略〕
:#*二  〔・・・〕第32条〔・・・〕  翻訳
:#*三  〔略〕
:
 
;[[s:著作権法#a48|48条]](出所の明示)  
:#次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
:#*一  第32条〔・・・〕の規定により著作物を複製する場合
:#*二  〔略〕
:#*三  第32条の規定により著作物を複製以外の方法により利用する場合〔・・・〕において、その出所を明示する慣行があるとき。
:#前項の出所の明示に当たつては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。
:#第43条の規定により著作物を翻訳〔・・・〕して利用する場合には、前二項の規定の例により、その著作物の出所を明示しなければならない。
 
=== 要件 ===
著作権法において正当な「引用」と認められるには、公正な慣行に従う必要がある。最高裁判所昭和55年3月28日判決<ref name="parody">[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=26442&hanreiKbn=01 最高裁判所第三小法廷昭和55年3月28日判決] 裁判所公式 [[パロディ事件|パロディ裁判]]。この判例に言及している解説・意見には、次のようなものがある。
* 六訂版『著作権法の解説』千野直邦・尾中普子著、一橋出版、2005年、ISBN 4-8348-3620-7、pp.15- 18  写真の著作物
* 『著作権とは何か』福井健策著、集英社新書、2005年、ISBN 4-08-720294-1、pp.148-153、パロディモンタージュ写真事件
* 『Q&A 引用・転載の実務と著作権法』北村行夫・雪丸真吾編、中央経済社、2005年、ISBN 4-502-92680-9、pp.177-182  『主従関係』の要件で躓くのはなぜか
<!--- 違う考え方・立場の本などありましたら、追記してください。 --->
</ref>によれば、適切な引用とは「<!-- 旧著作権法(明治三二年法律第三九号)三〇条一項二号にいう引用とは、 -->紹介、参照、論評その他の目的で著作物中に他人の著作物の原則として一部を採録すること」とされる。
文化庁によれば、適切な「引用」と認められるためには、以下の要件が必要とされる。
{{Quotation|
* ア  既に公表されている著作物であること
* イ  「公正な慣行」に合致すること
* ウ  報道,批評,研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること
* エ  引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること
* オ  カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること
* カ  引用を行う「必然性」があること
* キ  「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)
| {{Harvtxt|文化庁|2010|loc=&sect;8. 著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合 ⑧ ア、「引用」(第32条第1項)}}
}}
*引用する分量を抑えなければならない。
*引用するには目的(必然性)が必要であり、それに必要な量しか引用してはならない。
*質的にも量的<ref>「量」については、様々な意見・見解がある:(例)『Q&A 引用・転載の実務と著作権法』北村行夫、雪丸真吾編 中央経済社 2005年 ISBN 4-502-92680-9  の P177 - 182  「主従関係」の要件で躓くのはなぜか</ref>にも、引用先が「主」、引用部分が「従」の関係になければならない。ただし[[知的財産高等裁判所|知財高裁]]平成22年10月13日(鑑定証書カラーコピー事件)判決においては主従関係は要件とされていない。
*引用を独立してそれだけの作品として使用することはできない。
なお、引用部分を明確にする方法としては、カギ括弧のほか、段落を変える、参照文献の一連番号又は参照文献の著者名等を用いた参照記号を該当箇所に記載する<ref name="sist08s5091">{{Harvtxt|科学技術振興機構|2010|loc=&sect;5.9(a)}}</ref>などの方法もある。
要約による引用を行う際は、
; 内容の同一性を損なわないこと
: 字句が変更されていても、内容の同一性が保たれた要約による引用は翻案ではなく複製であり、[[翻案権]]<ref>日本での判例は、{{Citation | author = [[最高裁判所 (日本)|最高裁判所]] | year = 2001 | date = 2001-06-28 | title = 損害賠償等請求事件 | periodical = 最高裁判所判例集 | volume = 55 | issue = 4 | page = 837 | place = 第一小法廷 | id = 平成11(受)922 | url = http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiNo=25282&hanreiKbn=01 | accessdate = 2009-03-08}}</ref>や[[同一性保持権]]<ref>日本での判例は、{{Citation | author = 東京地方裁判所 | year = 1998 | date = 1998-10-30 | contribution = 「血液型と性格」要約引用事件 | contribution-url = http://www.translan.com/jucc/precedent-1998-10-30.html | id = 東京地裁  平成7年(ワ)第6920号 | editor = 日本ユニ著作権センター | title = マスメディアと著作権 | accessdate = 2009-02-14}}</ref>を侵害することにはならない。
; 引用部分の直後に[[出典]]を示し、明瞭区別性<ref name="parody" />を確保すること
: 要約文は引用者の言葉なので、原文の著作者の言葉であるとの誤解を避けるため、カギ括弧や段落分けではなく、[[ハーバード方式]]や[[バンクーバー方式]]などによって引用部分の直後に出典を示す<ref name="sist08s5091" />。
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