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'''アオザイ'''({{vie|v=Áo dài|f=h}},[[チュノム]]標記「襖𨱽」)とは、[[正装]]として着用する[[ベトナム]]の[[民族衣装]]。なお「アオザイ」はベトナム語北部方言の発音であり、南部方言では「アオヤイ」と発音する。アオザイとは[[ベトナム語]]で「長い上衣」の意味。
 
女性用アオザイの美しさは世界的に認知されており、土産物としても人気が高いが、オーダーメイドが基本のため購入には手間がかかる。
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[[Image:APEC2006 Áo Dài.jpg|thumb|250px|アオザイを着用する各国首脳(2006年APEC)]]
[[18世紀]]に[[清|清朝]]から移入された[[チャイナドレス]](旗袍)を起源とする。
旗袍は冷涼な気候の満州起源の装束であり、本来は厚地の[[絹]]を使うが、ベトナム土着の薄絹(庶民は[[麻]]など)のゆったりした長衣の影響を受けて、風土に合った薄い布地で仕立てるようになった。日常着としても用いられた土着の服装と違い、官服として着られていたことから、現在でも正装とされている。現在の女性用アオザイの細身でスリットの深いデザインは[[フランス領インドシナ]]時代に改良されたものである
日常着としても用いられた土着の服装と違い、官服として着られていたことから現在でも正装とされている。現在の女性用アオザイの細身でスリットの深いデザインは[[フランス領インドシナ]]時代に改良されたものである。
 
現在ではアオザイ姿を見掛けるのは女性がほとんどで、アオザイは[[女性]]のみの民族衣装と思われていることが多いが、[[男性]]用のアオザイもある。しかし現代において男性用アオザイの着用は、[[結婚式]]での新郎や[[伝統芸能]]の演者等に限られ、男性のアオザイ姿を目にすることは稀である。
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== 構造 ==
[[Image:138712019 2874641ef7.jpg|thumb|250px|アメリカの展覧会で展示されているアオザイ]]
上衣は「チャイナカラー」と呼ばれる前合わせの立襟で長袖の体に沿った細身の仕立て。丈は足首にかかるほど長いが、[[骨盤|腰骨]]にかかるくらいの深いスリットが側面にあるため歩行の邪魔にはならない。下衣には上衣と逆に直線的な裁断の白い長[[ズボン]](クワン、''quần'')の組み合わせで仕立てる。
 
ベトナムの多くの[[高等学校|高校]]や一部の[[大学]]では、純白のアオザイを[[女子高生|女子生徒]]・[[女子大生|女子学生]]の[[制服]]に採用している。また、[[ベトナム航空]]ではかつてはピンク、現在は赤のアオザイ女性[[客室乗務員]]の制服に採用されている。
 
高温多湿の[[気候]]のため、上衣は一重仕立てで[[木綿]]製であることが多く、クワンには薄い[[絹]]や[[レーヨン|人絹]]を用いることも多く、クワンのみならず上衣にも[[下着]]が透けるような薄い生地が用いられることが多い。