「嵐になるまで待って」の版間の差分

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スタジオでは不穏な雰囲気が立ち込めていた。高杉の以前のバンド仲間がニューヨークに滞在していたが、波多野が裏から手を回した事で音楽業界から追い出され、それが原因で自殺したと言う噂が立っていたのだ。高杉は真相を聞き出そうとするが波多野が知らないと答えた事で、今度は雪絵に矛先を向ける。手荒に聞き出そうとする高杉に、波多野は「放せ!」と言い放つ。だがその時、ユーリにはその声とは別に『死んでしまえ!』と言う波多野の声が同時に聞こえてきた。高杉はそのまま何も言わず、スタジオを後にする。
 
翌日の歌唱レッスンの約束の時間にスタジオに向かうと、滝島に波多野と二人きりでレッスンを受けろと言われる。昨日の声の事が怖くて忘れられなかったユーリは、思わずスタジオから飛び出してしまう。その際波多野はユーリが大切にしている、幸吉から貰ったペンダントを拾う。その夜波多野は、そのペンダントを返すからとユーリをホテルのロビーに呼び出し、ユーリが幸吉に対して好意がある事、そして今だ告白できない理由まで言い当てる。ユーリは自分が教え子以上の対象で見てもらえていないのではないかと自信がなかった上に、自分の声が波多野に似ていると言われる程女らしくない事をコンプレックスに感じていたのだ。動揺するユーリに対し、波多野は「君が声をださなければ、彼は君を愛してくれる。」と言い放つ。
 
ホテルから出たユーリは幸吉に電話をかけるが、声が出なくなってしまった事に気づく。電話口の幸吉は何とか電話をかけてきたのがユーリだと気づき、翌日一緒に病院に行く。喉には全く傷がなかった事から精神的な理由だと診断され、2人は精神科の'''広瀬教授'''の元を訪れる。広瀬はすぐに原因が波多野であると気が付くが、ユーリは波多野に言われた事を伝える事が出来なかった。その時、広瀬が持っていた新聞に高杉が自殺未遂を起こしたという記事が載っている事に気づく。