「嵐になるまで待って」の版間の差分

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声優を目指す'''ユーリ'''は生まれて初めてのオーディションに合格し、『ナルニア物語』のユースチス役をやる事になった。翌日にプロデューサーの'''滝島'''に打ち合わせがしたいと言われ向かったスタジオで、昨日のオーディションで相手役をしたプロ声優で中学三年生の'''チカコ'''と再会。チカコは学校を早退して、台本を取りに来ていた。
 
滝島がチカコに頼まれて台本を取りに行こうとしたその時、2人の男女が入ってきた。今回の音楽を担当するニューヨーク在住の音楽家'''波多野'''と、その姉でろう者の'''雪絵'''だった。お互いに自己紹介をしている合間に、さらにもう一人やってくる。今回の主演をする俳優'''高杉'''だった。一向に台本を取りにいかない滝島に代わり、ユーリはチカコと一緒にスタジオから出て台本を取りに行く。その間に高杉に対して自己紹介する波多野だが、高杉は波多野に対し敵意を向ける
 
一方、ユーリとチカコは'''津田'''と鉢合わせる。津田はユーリの中学時代の家庭教師であり今でも友人として接している'''幸吉'''の同僚の記者で、高杉のスクープを狙っていた。ユーリが高杉のいるスタジオに行くと聞きつけた津田は自分をユーリの親戚として、スタジオに潜入させて欲しいと頼む。幸吉の友人と言う事でユーリはその頼みを受ける事にし、チカコとはそこで別れる。
 
スタジオでは不穏な雰囲気が立ち込めていた。高杉の以前のバンド仲間がニューヨークに滞在していたが、波多野が裏から手を回した事で音楽業界から追い出され、それが原因で自殺したと言う噂が立っていたのだ。高杉は真相を聞き出そうとするが波多野が知らないと答えた事で、今度は雪絵に矛先を向ける。手荒に聞き出そうとする高杉に、波多野は「放せ!」と言い放つ。だがその時、ユーリにはその声とは別に『死んでしまえ!』と言う波多野の声が同時に聞こえてきた。高杉はそのまま何も言わず、スタジオを後にする。
 
翌日の歌唱レッスンの約束の時間にスタジオに向かうと、滝島に波多野と二人きりで歌唱レッスンを受けろと言われる。昨日の声の事が怖くて忘れられなかったユーリは、思わずスタジオから飛び出してしまう。その際波多野はユーリが大切にしている、幸吉から貰ったペンダントを拾う。その夜波多野はそのペンダントを返すからとユーリをホテルのロビーに呼び出し、ユーリが幸吉に対して好意がある事、そして今だ告白できない理由まで言い当てる。ユーリは自分が教え子以上の対象で見てもらえていないのではないかと自信がなかった上に、自分の声が波多野に似ていると言われる程女らしくない事をコンプレックスに感じていたのだ。動揺するユーリに対し、波多野は「君が声をださなければ、彼は君を愛してくれる。」と言い放つ。
 
ホテルから出たユーリは幸吉に電話をかけるが、声が出なくなってしまった事に気づく。電話口の幸吉は何とか電話をかけてきたのがユーリだと気づき、翌日一緒に病院に行く事に。喉には全く傷がなかった事から精神的な理由だと診断され、2人は精神科の'''広瀬教授'''の元を訪れる。広瀬はすぐに原因が波多野であると気が付くが、ユーリは幸吉が傍に居た事で波多野に言われた事を伝える事が出来なかった。その時、広瀬が持っていた新聞に高杉が自殺未遂を起こしたという記事が載っている事に気づく。
 
==登場人物==