「3C 273」の版間の差分

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| 画像ファイル = 3C273 Chandra.jpg
| 画像サイズ = 250px
| 画像説明 = クエーサー 3C 273 とジェット<br/><small>([[チャンドラX線天文台]]による撮影)</small>
| 画像背景色 =
| 仮符号・別名 =
| 視等級 = 12.9<ref name="ned" />
| 視直径 =
| 分類 = [[ブレーザー]]<br/>[[セイファート銀河|セイファート1]]<ref name="ned" />
| 変光星型 =
| 分類 = [[ブレーザー]]<br/>[[セイファート1]]<ref name="ned" />
| 軌道の種類 =
}}
| 固有運動 =
| 年周視差 =
| 距離 = 24.43億光年(749<br />(749メガ[[パーセク]])<ref name=XJET>{{cite web
|date=2008-01-11
|title=3C 273
{{天体 別名称
| 色 = クエーサー
| 別名称 = [[Principal Galaxies Catalogue|PGC]] 41121<ref name="ned" />、 [[ヒッパルコス(人工衛|HIP]] 60936
}}
{{天体 終了
| bibcode=1963Natur.197.1040S
| doi=10.1038/1971040a0
}}</ref>)。赤方偏移から計算した[[光度距離]]はD<sub>L</sub> = 749メガ[[パーセク]]<ref name="Uchiyamaetal2006">{{citation
| author=Uchiyama, Yasunobu; Urry, C. Megan; Cheung, C. C.; Jester, Sebastian; Van Duyne, Jeffrey; Coppi, Paolo; Sambruna, Rita M.; Takahashi, Tadayuki; Tavecchio, Fabrizio; Maraschi, Laura
| title=Shedding New Light on the 3C 273 Jet with the Spitzer Space Telescope
| bibcode=2006ApJ...648..910U
| doi=10.1086/505964
|arxiv = astro-ph/0605530 }}</ref> 3C 273 は絶対光度26.7等と最も明るいクエーサーのうちの一つである。もしこの天体が[[ポルックス (恒星)|ポルックス]]と同じ位置(10[[パーセク]])にあったとすると、その見かけの明るさは太陽と同じになる。3C 273 の質量は、輝線の幅から8.86±1.87億[[太陽質量]]と見積もられている<ref name="Petersonetal2004">{{citation
| author=Peterson, B. M.; Ferrarese, L.; Gilbert, K. M.; Kaspi, S.; Malkan, M. A.; Maoz,D. ; [[David Merritt|Merritt, D.]]; Netzer, H.; Onken, C. A.; Pogge, R. W.; Vestergaard, M.; Wandel, A.
| title=Central Masses of AGNs. II.
| bibcode=2004ApJ...613..682P|arxiv = astro-ph/0407299 }}</ref>。
 
== 大規模ジェット ==
3C 273 は可視光で見ることのできる巨大なジェットを放出している。その長さは20万[[光年]] (60k[[パーセク|pc]]) になり、見かけの大きさは23秒角である<ref name="Uchiyamaetal2006" />。 1995年に行われた[[ハッブル宇宙望遠鏡]]による観測では、ジェットは明るい部分と暗い部分が交互に並んだ構造を持っていることが明らかになった<ref name="Uchiyamaetal2006" />。
 
== 歴史 ==
その名前が示すように 3C 273 は、1959年に出版された[[ケンブリッジ電波源カタログ]]第3版の273番目([[赤緯]]順に並べられている)に掲載された天体である。シリル・ハザード<!--Cyril Hazard-->が[[パークス天文台]]で行った[[月]]による[[掩蔽]]観測によりその正確な位置が測定され<ref name="HazardMackeyShimmins63">{{citation
| author=Hazard, C.; Mackey, M. B.; Shimmins, A. J.
| title=Investigation of the Radio Source 3C273 by the method of Lunar Occultations
| pages=1037
| bibcode=1963Natur.197.1037H
| doi=10.1038/1971037a0}}</ref>、その後の可視光観測で対応する天体が発見された。1963年、[[マーテン・シュミット]]とべバリー・オークにより、3C 273 は大きな赤方偏移を持つ天体で、数十億光年かなたにあるという報告が科学誌[[ネイチャー]]に掲載された。
| doi=10.1038/1971037a0}}</ref>、
その後の可視光観測で対応する天体が発見された。1963年、[[マーテン・シュミット]]とべバリー・オークにより、3C 273は大きな赤方偏移を持つ天体で、数十億光年かなたにあるという報告が科学誌[[ネイチャー]]に掲載された。
 
3C 273 の発見より前も、いくつかの電波天体が可視光での対応天体を持つと報告されてきた。その最初の天体は [[3C 48]] であった。また、[[とかげ座BL]]、[[かみのけ座W]]、[[りょうけん座AU]]など、多くの活動銀河が誤って[[変光星]]として誤って分類されていた。しかし、これらの天体の[[スペクトル]]は[[恒星]]のものとは大きく異なっていて、その正体は不明なままであった。3C 273 は、そのような天体の中で初めてその正体が「遠方宇宙にあるきわめて明るい天体」、現在「クエーサー」として知られているものであると分かった天体である。よって、厳密には最初に'''発見された'''クエーサーは [[3C 48]] であり、3C 273 は初めてクエーサーと'''確認された'''天体である。
 
[[Imageファイル:Quasar 3C 273.jpg|thumb|left|200px|ハッブル宇宙望遠鏡ACSによって撮影された 3C 273。 Credit: [[NASA]]/[[ESA]].]]
3C 273 は、電波を強く放射するクエーサーであり、1970年に銀河系外の[[X線]]源として初めて同定された天体でもある。しかし21世紀初頭でも、このX線がどのような過程を経て放射されているのかについては、議論が分かれている<ref name="Uchiyamaetal2006" />
しかし現在でも、このX線がどのような過程を経て放射されているのかについては、議論が分かれている<ref name="Uchiyamaetal2006" />。
3C 273の明るさは、電波から[[ガンマ線]]に至るほぼすべての[[波長]]で変動しており、変動周期も数日から数十年と幅広い。
電波、[[赤外線]]、可視光では、大規模ジェットからの[[偏光]]が観測されている。このことから、この放射は[[荷電粒子]]が[[光速]]に近い速度で運動することによる[[シンクロトロン放射]]であると考えられる<ref name="Uchiyamaetal2006" />。
このようなジェットは、3C 273の中心にある[[ブラックホール]]と[[降着円盤]]の相互作用で生じると考えられている。[[超長基線電波干渉法]]を用いた3C 273の観測では、電波放射領域が時間とともに動いていることが判明し、きわめて高速のジェットが存在していることがここでも示唆されている。
 
3C 273 の明るさは、電波から[[ガンマ線]]に至るほぼすべての[[波長]]で変動しており、変動周期も数日から数十年と幅広い。電波、[[赤外線]]、可視光では、大規模ジェットからの[[偏光]]が観測されている。このことから、この放射は[[荷電粒子]]が[[光速]]に近い速度で運動することによる[[シンクロトロン放射]]であると考えられる<ref name="Uchiyamaetal2006" />。
3C 273は、5月ごろに南北両半球で見ることができる。明るいので、アマチュア向けの[[望遠鏡]]でも十分に見ることができる。
このようなジェットは、3C 273 の中心にある[[ブラックホール]]と[[降着円盤]]の相互作用で生じると考えられている。[[超長基線電波干渉法]]を用いた 3C 273 の観測では、電波放射領域が時間とともに動いていることが判明し、きわめて高速のジェットが存在していることがここでも示唆されている。
 
3C 273 は、5月ごろに南北両半球で見ることができる。明るいので、アマチュア向けの[[望遠鏡]]でも十分に見ることができる。
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== トリビア ==
* [[オランダ]]の音楽バンド[[エイリオン]]の楽曲 'To the quasar' は、3C 273 のことをうたっている。この曲は、アルバム '{{仮リンク|Universal Migrator Part 2: Flight of the Migrator|en|Universal Migrator Part 2: Flight of the Migrator}}'に収録されている。
* 3C 273 は一般的なアマチュア向け望遠鏡で見ることのできる最も遠方の天体である
 
== 参考文献 ==
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