「日本画」の版間の差分

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== 制作方法 ==
日本画の制作には様々な種類の[[岩絵具]]を主として若干の有機色料を併せ用いる<ref>『広辞苑 第五版』新村 出 岩波書店 1998/11 ISBN 4000801120 ISBN 978-4000801126 「日本画」より。
</ref>。[[胡粉]]などの[[顔料]]、[[膠]]、[[硯]]、[[墨]]、[[絹|絹本]]、[[和紙]]、[[刷毛]]、[[付立筆]]や[[彩色筆]]等の[[筆]]、[[陶磁器]]の筆洗(ひっせん)などが必要である。[[水彩|アカシア樹脂]]による[[水性絵具]]([[水彩]])よりも溶解しない性質があり、何度も絵具を薄く重ねて制作することが可能であるという特徴を持つ。近年では、油彩画の影響を受け、絵具を厚く塗り重ねた表現や抽象的描画など、いわゆる伝統的な技法にとらわれない表現技法もみられる。
 
=== 伝統的な方法 ===
[[顔料]]は、[[膠|粗製ゼラチン]]<ref>膠はゼラチンの粗製品</ref>水溶液<ref>膠を水に溶いたもの</ref>で練成して用いる(溶いて使う)。
 
岩絵具のなかで緑青は青一番から青三番くらいまで(番号は粒子の大きさ。番号が大きいほど細かい)、紺青、群青のようなその他これに類する粗さの、俗に砂絵具というほどのものは、ほとんど膠水だけで溶かし、深皿に絵具よりも多い膠水を入れ、羊毛のようなやわらかい筆で絵具をすくうようにして画面に塗る。きわめて粗い岩ものならば一粒一粒を画面にならべてゆく。乾くのを待って色調の出るまで何回でも重ね塗りをする。岩絵具は、2回目ははじいてうまくつかないことが多いが、そのような場合は溶いた絵具にハッカ油かゴマ油を一滴落とすという手法が存在するが、熟練の技術を要する。