「ミカ書」の版間の差分

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{{旧約聖書}}
『'''ミカ書'''』(ミカしょ)は、[[旧約聖書]]文書のひとつ。ユダヤ教では「後の預言者」に、キリスト教では[[預言書]]に分類する。キリスト教でいう[[十二小預言書]]の6番目に位置する。著者は伝承では紀元前8世紀の預言者[[ミカ (預言者)|ミカ]]に帰される。
 
<!-- ([[ミカ]]に転記すべき)
== 預言ミカ==
本書の著者とされる預言者ミカは、ミカ書1章1節によれば、モレシェト出身で、預言者イザヤと同時代人である<ref>エドモン・ジャコブ著『旧約聖書(改訂新版)』白水社「文庫クセジュ」No.444</ref>。
預言者[[イザヤ]]とほぼ同時期に、南王国で活動したと考えられている。1章1節の標題によれば、モレシェト出身。
その活動は、主として、出身地モレシェトの圧政に苦しんでいる人々のためになされた<ref>関根正雄著『古代イスラエルの思想家』(講談社「人類の知的遺産」1)</ref>。
ただし、その出身にもかかわらず、南王国の首都[[エルサレム]]だけでなく、北王国の首都[[サマリア]]の指導者層も弾劾の対象となっている。
ミカの活動は旧約聖書・エレミヤ書26章17~18節にも記載されている。
-->
 
== 概説 ==
『ミカ書』は7章からなる。このうち、現代の高等批評的研究では、ミカが実際に著したのは、1:1~2:11と3:1~12と言われている<ref>木田献一著『古代イスラエルの預言者たち』(清水書院「人と思想」No.153)</ref>。
『ミカ書』は7章からなる。このうち、1-3章のみが預言者ミカに実際に帰されると考える学者も多いが、加筆の程度については論争がある。他のほとんどの預言書同様、口承の段階と、文書化以降の複雑な編集過程を経たと考えられており、それに伴い、構成も単純ではないと考えられる。
 
本書の中でミカは支配階級に抑圧されている人たちの苦しみに共感し、横暴な人たち(その中には賄賂をもらって依頼者に都合の良い預言をする預言者や祭司も含まれる)の不正を厳しく糾弾している<ref>木田献一著『古代イスラエルの預言者たち』(清水書院「人と思想」No.153)</ref>。そして彼らに神の裁きと滅びが近づいていることを語る<ref>いのちのことば社『新聖書辞典』「ミカ書」の項目</ref>。
 
== 構成 ==
内容は痛烈な社会批判であり、特に、指導者層による貧者の搾取が取り上げられている。これは当時の社会における貧富の差の拡大を背景としていると考えられている。
1.表題(1:1)
2.神の審判(1:2~2:11)
3.残りの者への約束(2:12~13)
4.横暴な為政者、悪しき預言者、貪欲な祭司に対する裁き(3:1~12)
5.神の栄光の王国(4~5章)
6.主とイスラエルの論争(6:1~7:6)
7.主による勝利(7:7~20)
 *以上、いのちのことば社『新聖書辞典』「ミカ書」の項目より
 
3章では、指導者層には職業的預言者も含められており、彼らが報酬に応じて平和を預言することが批判される。さらに、この章では、[[シオン (イスラエル)|シオン]]における神の臨在の思想に依拠して自分たちの安全を主張する預言者たちに対して、エルサレムが壊滅する預言が語られる。
 
== 新約聖書における引用 ==
* 5章1節で[[ベツレヘム]]から将来のユダの指導者が出ると預言されるが、この節は、[[イエス・キリスト]]を預言するものとして、『[[マタイによる福音書]]』2章6節で引用されている。ただし、『ミカ書』のこの章節は、[[バビロン捕囚]]期以後に語られた、ダビデ家出身の王の回復の希望であると主張されることも多い
* 7章6節には民の腐敗した状態が描かれているが、この節は、『[[マタイによる福音書]]』10章35~36節で引用されている。
 
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