「国際組織法」の版間の差分

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Tarokun33 (会話 | 投稿記録)
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国連の対外的活動として最も重要なものは、'''「国際の平和及び安全の維持」に関する安保理の活動'''である。いわゆる「[[国連憲章第七章]]」に基づく行動である。七章に基づく[[国際連合安全保障理事会|安保理]]の行動は、冷戦が終結した1990/1991年以降、大変、活発になっている。その緒端は、1990年のイラクのクウェート侵攻の際の、1991年の安保理決議678に基づく[[多国籍軍]]の行動である。同決議は、憲章43条に基づく常備の「国連軍」がいまだ創設されていないことに鑑み、加盟国に「全ての必要な手段を用いることを許可する」(authorizes...to use all necessary means)とした。これは、朝鮮戦争において、米国の指揮下にある軍に国連旗の使用を許可した1950年の安保理決議84に端を発すると考えられる。この安保理決議678以降、「全ての必要な手段を許可する」という方式は繰り返し使用され、現在では完全に定着したと言える。
 
「[[自衛権]]」(self-defense)は、国連憲章51条で、個別的自衛権(individual self-defense)、[[集団的自衛権]](collective self-defense)とも、「固有の権利」(inherent right; 仏語テキストでは「自然権」le droit naturel)と規定されている。特に「集団的自衛権」が「固有の権利」/「自然権」とされている点について、この用語は国連憲章において初めて用いられたものだが、その先駆と言うべきものが戦間期における[[相互援助条約草案]]や[[ラインラント協定]]の中に見られると指摘されうる<ref>森肇志『自衛権の基層』(東京大学出版会、2009年)146-159頁。</ref>。2001年9月11日の[[米国同時多発テロ事件]]では、翌月に米国はアフガニスタンを攻撃した。学説上、これが国際法上の自衛権の行使であるとか、違法な武力行使であるとか、自衛権概念が一時的に「伸長」した<ref>Verhoeven,J., «Les "étirements" de la légitime défense», ''A.F.D.I.'', 2002, pp.49-80.</ref>など様々な議論が行われている。この事件に関連して出された安保理決議1368では、その前文で加盟国の自衛権が固有の権利であること確認している。国連憲章51条によれば、自衛権を行使した国はすみやかに安保理に報告しなければならず、米国は、アフガニスタン攻撃後、安保理に報告している。
 
== 国連安保理の活動の司法的制御 ==